2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の筋の同時活動戦略に着目した効率的姿勢制御機構の解明
Project/Area Number |
26750344
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
永井 宏達 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (00633348)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 同時収縮 / 筋活動 / 高齢者 / 姿勢制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
動筋と拮抗筋が同時に活動する同時収縮は外乱に対応する姿勢制御戦略の一つである。これまでの研究で、同時収縮の増大は安静時の姿勢保持に有効であることが明らかになってきた。しかしながら、外乱環境においては、外乱刺激後の立位姿勢制御反応は反応時間など様々な要素に影響を受けるため、同時収縮単独の影響を測定することは難しい現状があった。そこで、本研究では筋の長さ-張力、速度-張力の関係性を考慮した順動力学シミュレーションモデルを用いて外乱応答における同時収縮の役割を検討した。 研究は外乱刺激の動作測定を始めに行い、このデータを元に被験者のモデルを作成して、外乱刺激後の姿勢制御反応をシミュレーショにより解析した。対象者の大転子および外果に反射マーカーを張り付け、安静立位の状態から床面が前方に速度15cm秒、移動距離6cm で動いた際の垂直軸に対する大転子-外果を結んだ線の角度および前脛骨筋とヒラメ筋の筋電図を測定した。シミュレーション解析の立位モデルは足関節が底背屈する1 リンクの倒立振り子モデルを想定し、倒立振り子の先端部分に身体重心が位置するとした。筋の長さ-張力、速度-張力の関係を考慮した背屈筋と底屈筋の2 筋を足関節に作成した。同時収縮の条件を変化させた際の動作変化および筋活動量変化をシミュレーションにて検討し、同時収縮が外乱刺激後の姿勢制御に与える影響を検討した。 結果、同時収縮を高めることで外乱発生時の動揺は小さくなり、外乱刺激前の同時収縮が強いほど,低い筋活動で外乱に対応できることが明らかになった。このことより、同時収縮は外乱刺激後の動揺量を小さくする有効な戦略の一つであると考えられた。
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Research Products
(3 results)