2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the effects of spasticity after spinal cord injury on the functional changes of paralyzed muscle
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26750346
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Research Institution | Suzugamine Women's College |
Principal Investigator |
三木 由美子 鈴峯女子短期大学, その他部局等, 講師(移行) (90726217)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脊髄損傷者 / 不随意痙攣 / 麻痺筋肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
不随意痙攣を有する脊髄損傷者の麻痺筋肉の筋動態に関する研究を行った。具体的には、不随意痙攣を有する脊髄損傷者の膝関節角度の変化に伴う、筋厚、筋硬度および羽状角の角度の変化を明らかにした。 対象者は不随意痙攣を有する男性脊髄損傷者1名であった。損傷レベルは頸髄6番であり、完全損傷であった。また、損傷からの年数は4年9か月であった。測定には、Biodex System 3(Biodex Medical Systems社製)を用い、測定肢位は座位とし、上体はベルトでしっかりと固定した。膝関節角度は、90度、110度、130度とした。なお、本研究の膝関節の角度は、対象者が不随意痙攣を誘発しない角度として設定した。筋の動態の記録および計測には超音波診断装置 Noblus(日立アロカメディカル社製)を用いた。また、筋硬度は、NEUTONE筋硬度計(TDM-Z1)(TRY-ALL社製)を用いて計測した。測定部位は、大腿骨の50%位とし、大腿前面の筋を測定した(周径囲 43.8cm)。各膝関節角度における筋厚、筋硬度および羽状角の角度の計測は、それぞれの角度で3回行い、平均値を採用した。 測定の結果、筋厚は、90度、110度、130度でそれぞれ、17.3mm、17.9mm、18.0mmであった。羽状角の角度は、90度、110度、130度でそれぞれ、7.0度、8.0度、10.3度であった。筋硬度は、90度、110度、130度でそれぞれ、12.0、5.3、3.7であった。以上の結果から、不随意痙攣を有する脊髄損傷者の麻痺筋肉は、膝関節の角度変化に伴い、筋硬度および羽状角の角度が変化することが示された。今後、対象者を増やすことと健常者との比較を通して、脊髄損傷者の麻痺筋肉の筋動態に関する特徴が明らかになると考える。
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