2014 Fiscal Year Research-status Report
地域在住後期高齢者における虚弱化予防に向けた睡眠と身体活動パターンの解明
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26750349
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
金 美芝 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40601349)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 虚弱 / 睡眠 / 身体活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
要介護状態となることの予防という「介護予防」の戦略として、虚弱に陥りやすい高齢者をいち早く発見し、虚弱化を予防することが重要である。近年、虚弱化の予防方法の一つとして可変的要因である生活習慣(活動・睡眠など)が注目されている。しかし、睡眠と身体活動パターンの双方向性の関係について十分なエビデンスがない。 そこで、平成26年度の初回調査では、虚弱高齢者と非虚弱高齢者との比較検討を行い、睡眠パターンの特徴の相違を明らかにすることを目的とした。本研究では東京都板橋区在住する睡眠呼吸障害を有さない80歳以上の高齢者303名(平均年齢83.3 ± 2.7;男性 33%)を調査対象とした。3軸加速度計(ActiGraph GT3X+)を非きき腕に24時間、10日以上装着させ、1分間あたりのカウントに基づいて連続5日以上データを収集できた者を対象として採用し、個人毎に睡眠パラメータ(就寝時刻、起床時刻、総睡眠時間)夜ごとのばらつき(標準偏差)、睡眠の質(睡眠効率と中途覚醒時間)と日常生活の身体活動量を算出した。Fried らの虚弱症候群5つの選定基準のうち3 つ以上該当者と非該当者とした。その結果、対象者の加速度計装着日数は、平均7.3 ± 0.6日であった。虚弱の有病率は17.2%であり、睡眠効率の低い者(85%以下)は18.8%、中途覚醒時間の長い者(60分以上)は、24.4%存在した。虚弱の有無を目的変数、年齢、性、教育年数、既往歴、総睡眠時間、身体活動強度とその他の交絡因子を調整したロジスティック回帰分析の結果、虚弱は起床時刻変動(OR: 2.45, 95% CI: 1.05-5.75)、sleep midpoint変動(OR: 2.05, 95% CI: 1.05-4.03)との関連性が認められた。そこで本研究は、後期高齢者における客観的に測定した睡眠・覚醒パターンと虚弱との関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画(平成26年度)により、虚弱高齢者と非虚弱高齢者との比較検討を行い、睡眠パターンの特徴の相違を明らかにする。ことができ、概ね計画とおりに進展していた。
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Strategy for Future Research Activity |
地域在住高齢者における座位行動および身体活動パターンと睡眠が双方向的な影響を及ぼす否かを明らかにとするために、自由行動下における座位行動評価の妥当性の検討する予定である。65歳以上高齢者150名を対象として、3日間連速(24時間)、座位行動評価のセミゴールドスタンダードであるactivPALを用いて、腕に装着するActiGraph、腰に装着するActiGraph妥当性を検討する。これらの結果から腕時計型3軸加速度計の身体活動強度や座位行動の基準値を提案する。
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Causes of Carryover |
当該年度の物品費として、当該助成金が生じた31,175円は加速度計の消耗品である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の研究費の使用としては、加速度計の消耗品として使用する計画である。
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Research Products
(7 results)