2015 Fiscal Year Research-status Report
保育所保育における「かみつき」行動の実態と要因の解明
Project/Area Number |
26750358
|
Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
中川 智之 川崎医療短期大学, 医療保育科, 准教授 (50462049)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | かみつき / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、安心して生活することのできる保育環境を実現するために、保育所保育における「かみつき」行動の実態と要因の解明を図ることを目的としている。平成27年度は、「かみつき」行動の実態を明らかにするために、広範囲における調査を可能とする質問紙を作成し、岡山県内の保育所及び認定こども園に質問紙調査を実施した。 調査内容については、先行研究を参考にしながら、子どもの発達(対人技術、言語理解、言語表現等)に関する質問項目と、「かみつき」行動の実態に関する質問項目(「かみつき」行動の有無、「かみつき」行動の見られた時間帯、考えられる原因・要因等)とからなる質問紙を作成した。「かみつき」行動の実態を解明するためには、広範な範囲で質問紙を配布し一定数の回答を回収する必要があるため、質問紙調査への協力をお願いする保育者の負担と郵送費等の経費を勘案し、年度末に岡山県内の全ての保育所・こども園に一斉に郵送法による質問紙調査を実施することとした。2016年2月に質問紙を発送し、各施設の施設長及び3歳未満児を担当する保育者に調査への協力を依頼した結果、数千枚の回答用紙を回収することができた。現在、データの入力・確認作業を実施しているところである。 平成28年度には、平成27年度に引き続きデータの入力・確認作業、分析・考察を進め、子どもの発達と「かみつき」行動の関連を検討した結果をもとに、論文を執筆する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
岡山県内の多数の保育者の協力を得て、一定数以上の質問紙を回収することができた。そのため、データの入力・確認作業に時間を要しているが、おおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、データの入力・分析を進め、保育所保育における「かみつき」行動の実態を明らかにする。また、「かみつき」行動の要因に関する検討を進め、それらの成果を発表する。 具体的には、保育所及び認定こども園で生活する子どもについて、「かみつき」行動を経験する比率、行動の生じやすい年齢、「かみつき」行動の多く見られる時間帯、保育者の捉える原因・要因等の観点から、保育所保育における「かみつき」行動の実態について解明を図る。また、対人技術、言語理解、言語表現といった子どもの発達の状態や保育室の延床面積、クラス集団の人数等の諸条件と「かみつき」行動との関連性について、統計的に検討する。 分析の結果に応じて追加の調査をする必要が生じた場合や、量的な分析から特徴のある保育所・こども園が明らかとなり、当該施設の協力が得られる場合には、当該施設を訪問するなど追加の調査を実施する。これらの結果をもとに論文執筆を進め、研究発表をする。なお、研究の精度を高めるために、進捗状況に応じて保育研究者から助言を受ける予定である。
|
Causes of Carryover |
現在データ処理を継続中であり、作業に関わる人件費について、3月分の支払いが翌月となるため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
収集したデータの処理に関する人件費として利用する予定である。
|