2015 Fiscal Year Annual Research Report
グアニン四重鎖形成制御を介したフラボノイドの生理活性発現機序の解明
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26750366
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Research Institution | Suntory Foundation for Life Sciences |
Principal Investigator |
寺 正行 公益財団法人サントリー生命科学財団, その他部局等, 研究員 (10643512)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 核酸 / 天然物 / 蛍光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、核酸の高次構造であるグアニン四重鎖による遺伝子の転写、調節制御の分子レベルでの機能解明を目的とし、第一にグアニン四重鎖構造に対するプローブを創製した。フラボノイドをはじめとするある種の植物二次代謝物はグアニン四重鎖に結合することが知られており、とくにイソキノリンアルカロイドの一種であるベルべリンはグアニン四重鎖構造との共結晶解析が報告されていた。ベルべリンはそれ自身のグアニン四重鎖に対する結合能は極めて弱いが、共結晶中での構造を模倣したベルべリン二量体化合物を設計、合成した結果、高アフィニティなプローブの合成に成功した。本化合物のグアニン四重鎖との相互作用について詳細に検討した結果、本プローブは標的に結合することで自身の構造を変化させ、その結果蛍光特性が大きく変化することを見出した。第二に、細胞内におけるグアニン四重鎖の機能を探るため、本構造の選択的な抽出(プルダウン)法を検討した。ベルべリンを化学的に修飾し、固相ビーズへ共有結合的に担持させたアフィニティビーズを作成した。これを用いてグアニン四重鎖のモデル配列を実際にプルダウン実験に付した結果、二重鎖など細胞内に大量に存在するDNA存在下においても、グアニン四重鎖構造を選択的に抽出することに成功した。以上の2つの実験結果を基に、今後本研究で創製したベルべリン二量体プローブを用いて、グアニン四重鎖構造の標的因子の同定をはじめとした機能解明へと展開する。
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