2014 Fiscal Year Research-status Report
心筋症の分子機構解明に向けた変異トロポニン分子内の局所ダイナミクス計測
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26750367
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
松尾 龍人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究員 (60623907)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中性子散乱 / ダイナミクス / トロポニン / 心筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、目的タンパク質複合体を大量調製するための環境構築を行った。また、次年度以降に必要となるタンパク質重水素化を行うための基盤整備に着手した。 本補助事業の最終年度前半に、重水素化サブユニットを含むタンパク質複合体の中性子準弾性散乱実験を計画している。今年度は、中性子散乱実験で得られる散乱データの解析を行うための基盤を整備した。関連タンパク質の中性子散乱データを用いて、解析プログラムの作成及び処理を行った。さらに、溶液試料由来のデータを扱うときに重要な因子の影響について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度内に、目的とするタンパク質複合体の大量調製環境が整った。これを基に、次年度は重水素化タンパク質の調製環境を整える。このペースで研究が進めば、補助事業期間内に本実験データの取得及び解析までを終えることが可能であるため、「順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
トロポニンは3つのサブユニットから構成されるタンパク質であるため、各サブユニット毎に培養・精製を行う必要がある。次年度は、2つのサブユニットの重水素化試料の調製環境を整えることを目標にする。そして、次々年度前半に中性子散乱実験データの取得及び解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた重水を大量に使用するプロセスを、次年度に実行した方が効率的であることが判明したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、重水素化タンパク質調製に必要な重水及び試薬類の購入に充当する。また、データ解析用のPC及び周辺ソフトウェアの購入も行う予定である。
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