2015 Fiscal Year Annual Research Report
合成分子プローブを基盤としたテーラーメイドアデニレーションドメインの創出
Project/Area Number |
26750370
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 文洋 京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (50631553)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非リボソーム性ペプチド / 非リボソーム性ペプチド合成酵素 / アデニレーションドメイン / 化学プローブ / ELISA / 酵素機能改変 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物が産生するペプチド性天然有機化合物は、その生物活性の多様性から重要な研究ツールとなり創薬シーズとなってきた。そのような天然有機化合物の多くは非リボソーム性ペプチド合成酵素(NRPS)によって合成される。NRPSに存在するアデニレーション(A)ドメインは非常に厳密な基質特異性を有し、天然の20種のアミノ酸、非天然アミノ酸およびアリール酸などの生体内プールから特異的に1つをアミノアシル-AMPに活性化する。すなわち、Aドメインは非リボソーム性ペプチド合成における’gatekeeper’の役割を担っている。そのため、Aドメインを人為的に改変し、非天然化合物を創出する試みが多数報告されているが、タンパク質工学的手法が成熟しつつある今日においても容易ではない。そこで、Aドメインを標的にする化学プローブを合成するとともに、Aドメインを選別するための酵素結合免疫吸着法(ELISA)を構築し、設計した基質特異性を有するAドメインを自由自在に取得することを目的とした。本年度は、これら化学プローブ群を固定化することで、Aドメインの酵素機能(基質特異性)を迅速、簡便、高感度に検出可能なELISA法の開発を行った。 (1)Aドメインを標的にする化学プローブ群を開発した。 (2)化学プローブ群を固定化した迅速、簡便、高感度なAドメインに対するELISA法を構築した。 (3)生化学的実験などにより、固定化した化学プローブ群が標的であるAドメインの酵素機能(基質特異性)を特異的に検出可能であることを明らかにした。 (4)ELISA法は精製系だけでなく、夾雑系に存在するAドメインにおいても適応可能であり、本手法の汎用性と有用性を証明することに成功した。
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