2015 Fiscal Year Research-status Report
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26760003
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 尚平 金沢大学, 法学系, 准教授 (70597939)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脱植民地化 / アラブ首長国連邦 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、湾岸アラブ諸国の現代史についての研究である。湾岸アラブ諸国は1971年までに独立を達成する。この独立に至る政治や社会の変化を、アジア・アフリカ諸国の近代化とイギリス帝国の盛衰という世界史的な動態から読み直すことを本研究プロジェクトの目的として設定した。 研究の1年目には1950年代の初期状況を整理したこと。この成果に基づき、2年目となる本年は、湾岸アラブ諸国同士の関係やイギリス帝国全体のダイナミズムにさらに踏み込んだ分析を行うことを目指した。 本年は、こうした目標設定に基づいて資料調査を進めただけでなく、英文の単著単行本の出版を行うことが出来た。さらに、イギリス帝国全体の歴史を検討するための基礎となる史料批判の方法についても新たな視角を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず当初の計画に沿って資料調査を進めることが出来た。その上で、海外の出版社の叢書から英文の単著単行本を出版することも出来たこと。さらに、この研究を計画した当初はまったく想定していなかった要素として、イギリス帝国全体が組織的に資料隠蔽工作を行っていた様子も徐々に分かってきた。これらは当初の想定を上回る成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究プロジェクトが成熟期を迎えつつあるので、今後も国内外に向けて積極的に研究成果を発信したい。同時に、現段階でも検討課題として残っている部分については引き続き調査を行う。
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Causes of Carryover |
次年度に重要な支出を予定しているので、その分今年度の支出を削減した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地調査のための旅費、出版等の研究成果発信に関連する諸経費に充てる。
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Research Products
(2 results)