2014 Fiscal Year Research-status Report
冷戦下東アジア国際関係と中国国内政治のなかの朝鮮族社会の変容に関する研究
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26760011
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
李 海燕 東京理科大学, 工学部, 講師 (50708196)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Chinese Korean / after the world war Ⅱ / Chinese citizenship / ethnic relationship / ethnicity / Yanbian / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
①学術論文の公表 The Formation of Chaoxianzu from Perspectives of Nation, Society and Ethnicity,SENRI ETHNOLOGICAL STUDIES 90 (National Museum of Ethnology),2014 この論文では、まず、新中国の建国過程における朝鮮族という政治的な枠組みの成立過程を論証した。そして、地域社会における漢族との草の根レベルの民族関係を考察したが、それは、はじめて民族関係がリアリティを持つようになった社会主義経済統合の過程で成立した漢族・朝鮮族民族聯合社の実態を分析するというアプローチした。また、エスニシティの側面から、朝鮮族の「祖国意識」の内実を考察したが、新中国が朝鮮戦争をきっかけに始めた「愛国主義」教育の研究対象地域を中心に解明した。これは研究計画調書に記している研究目的の一つである。②学会発表およびプロシーディングス 「延辺における地域の権力構造と朝鮮族エリートの推移(1945-1960)」(韓国満洲学会主催国際シンポジウム「East Asia and Manchuria in Trans-war Period」,2014.9 )。これは研究目的の③に当たり、中国共産党の朝鮮族社会末端への浸透・把握過程を解明するために、同時期地方政権における幹部選抜の実態と形成されつつある権力構造を考察したものである。③学術交流のために中国内モンゴル大学と社会科学院所属の研究者2人を招聘し、研究テーマについての問題意識を共有すると同時に、意見交換を行った。これはこの研究に他民族との比較の視点を取り入れる意味があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記している研究目的四つのなかの二つについては、研究成果を公表した。 現在は残った部分の研究に着手していて、国際研究者交流を通じての研究体制も整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画・方法に記したように、中国の一部地域での聞き取り調査と米国での資料調査を行う予定である。また、論文と学会発表を通じて、研究成果を公表していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が10,305円生じた。少額であるために、使用しづらかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の研究費用に充てる予定である。
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