2015 Fiscal Year Annual Research Report
〈非理想理論〉を起点とした倫理学・政治哲学方法論の再構築
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26770017
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
松元 雅和 関西大学, 政策創造学部, 准教授 (00528929)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 方法論 / 非理想理論 / 戦争倫理学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、〈非理想理論〉に基づく倫理学・政治哲学において、新たに要請される正義論の方法論上の特質を、従来の〈理想理論〉との対比から解明することである。27年度の課題は、非理想状況がもたらす諸制約の解明に引き続き従事しつつ、思考実験を中心とする倫理学・政治哲学の方法論的再構築の可能性・方向性を明らかにした。その結果として、1）「規範的研究は公共政策にいかに貢献しうるか――方法論的観点から」『政策創造研究』第10号（2016年3月）では、応用倫理学の方法論的知見も参照しながら、応用研究に従事するにあたっての具体的な方法を原則主義・決疑論・特定化として整理・評価した。2）"An Equal or Unequal Right to Kill? A Defense of the Traditional Just War Theory" Athens Institute for Education and Research, 13th Annual International Conference on Politics & International Affairs (Titania Athens Hotel, Greece, 15 June 2015)では、正統派／修正派正戦論を区別したうえで、兵士の道徳的不平等性を主張する後者における論証的・実践的弱点を指摘した。3）『応用政治哲学――方法論の探究』（風行社、2015年11月）では、本研究の総括として、〈非理想理論〉において要請される正義論の方法論上の特質を、理想化の水準設定、実行可能性問題への対処、正義と正統性の相克という観点から明らかにした。
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