2014 Fiscal Year Research-status Report
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26770026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江川 純一 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (40636693)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宗教史学 / 宗教概念 / 儀礼 / 神話 / 呪術 / 国際情報交換(イタリア) |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず、イタリア宗教史学(イタリアで展開した宗教研究)とその隣接分野(民族学・民俗学・歴史学・考古学)に関する文献を収集した。そして、それらの読解に基づき、2015年1月に単著『イタリア宗教史学の誕生 ―ペッタッツォーニの宗教思想とその歴史的背景』(勁草書房)を刊行した。同書において、イタリア宗教史学の祖であるラッファエーレ・ペッタッツォーニ(1883-1959)とその弟子であるエルネスト・マルティーノ(1908-1965)の宗教理解の共通点と差異について、「宗教」概念だけではなく「呪術」概念についても考慮しつつ、明確にすることができた(第IV部第一章、第二章、169-214頁)。これは、イタリア宗教史学の理論的継承を考察する上で、不可欠の作業である。 次に、当初の予定通り、イタリアのサン・ジョヴァンニ・イン・ペルシチェートとローマにて、現地の研究者の協力のもと、ペッタッツォーニ、そしてその弟子であるエルネスト・デ・マルティーノとアンジェロ・ブレリチ(1913-1977)に関する資料調査を実施した。その結果、講義ノートや書簡など数多くの一次資料を入手することができた。これらは、いずれもイタリア以外で取り上げられたことがないものであり、イタリア宗教史学の継承、さらには宗教学・宗教史学という学問の展開を跡づけるためにも重要な資料である。現在、収集した資料の読解を行いながら、次の論考を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の一部を、単著という形で公にできたことは一応の達成だと考えている。 また、イタリアでの資料調査については、現地の研究者の協力を当初の予定以上に得ることができた。研究はおおむね順調に進展していると自己評価できる。研究上のこの協力関係を今後も継続させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度は、当初の予定通り、イタリア南部にて資料調査を実施する予定である。現地の研究者とのいっそうの協力関係が必要となってくるため、連絡を緊密に取るつもりである。 その上で、前年度の資料読解と合わせ、ペッタッツォーニ宗教史学の継承について研究成果をまとめたい。イタリア宗教史学派において「宗教」理論・「呪術」理論とフィールドでの経験がどのように組み合わされたかが、問題の中心となるであろう。
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