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2014 Fiscal Year Research-status Report

20世紀前期イギリスにおけるデモクラシーとリベラリズムの連関:リンゼイの再検討

Research Project

Project/Area Number 26770031
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

中村 逸春  東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 助教 (80633502)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsデモクラシー / リベラリズム / 社会主義 / 理想主義 / ピュ―リタニズム
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、20世紀前期英国の政治学者、A・D・リンゼイの政治思想におけるリベラリズムとデモクラシーの連関について明らかにしようとするものである。本研究の初年度にあたる当該年度は、リンゼイ政治思想におけるリベラリズムの契機について中心的に考察し、同時代の英国理想主義、ニュー・リベラリズム、社会主義に関する二次文献を精読しつつ、リベラリズムに関連するリンゼイの著作・論考(一次資料)に関して分析を行った。また、これに加えて、リンゼイのデモクラシー論についての分析も一定程度行った。

これらの研究の成果の一端が、論文「A・D・リンゼイのデモクラシー思想(三・完)」である。この論文では、第一に、英国社会主義に対するリンゼイの見解、具体的には、第二次世界大戦後に成立したアトリー労働党政府の社会主義的政策に対する見解を検討し、リンゼイが国家による介入的政策以上に、労働組合や協同組合などのヴォランタリー・アソシエーションによる社会的活動を重視していたことを明らかにした。また、この点に関しては、「A・D・リンゼイの英国社会主義論」と題して次年度に学会報告(政治思想学会)を行うことも確定している。

第二に、第二世代の英国理想主義者であるバーナード・ボザンケからのリンゼイへの影響に着目し、ボザンケの一般意志論とリンゼイのデモクラシー論とを比較検討して、リンゼイがボザンケの一般意志論を基本的には高く評価しつつもしかし一部に修正を施す形でこれをデモクラシー論において継承していたことを指摘した。また、これにより、リンゼイの政治思想に対する英国理想主義の影響が、彼の介入主義的なリベラリズムの性格に対してだけではなく、デモクラシー論においても認められることが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1本の研究論文(「A・D・リンゼイのデモクラシー思想(三・完)」)と1回の学会報告(「A・D・リンゼイの英国社会主義論」)が、研究の成果である。当該年度に予定していたイギリスでの資料調査・収集は実施できなかったが、次年度に行う予定であり、研究はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

次年度には、イギリスでの資料調査・収集を予定しており、これらの未刊行資料を含む一次資料を分析して、研究報告と論文発表とを行うつもりである。また、研究はおおむね計画通りに進んでおり、特に大きな変更を行う必要はないと思われる。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じたのは、当該年度に予定していたイギリスのキール大学図書館への訪問(リンゼイの未刊行資料の調査・収集)が、現地での意見交換を予定していた研究者らの都合もあり、実施できなかったためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度において、リンゼイの未刊行資料を多数所蔵しているイギリスのキール大学図書館を訪問し、資料調査・収集を行うとともに、現地の研究者との意見交換を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] A・D・リンゼイのデモクラシー思想(三・完):コングリゲーションの伝統とその再生2015

    • Author(s)
      中村逸春
    • Journal Title

      法學

      Volume: 79巻1号 Pages: 36-70

    • Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] A・D・リンゼイの英国社会主義論:近代民主主義の継承という観点に注目して2015

    • Author(s)
      中村逸春
    • Organizer
      政治思想学会
    • Place of Presentation
      武蔵野大学(東京都江東区)
    • Year and Date
      2015-05-24

URL: 

Published: 2016-06-01  

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