2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26770059
|
Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
富岡 優子 北九州市立自然史・歴史博物館, 歴史課, 学芸員 (20508957)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 仏涅槃図 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は福岡・豊前国分寺の仏涅槃図の調査を行った。 豊前国分寺の江戸時代の記録に拠れば、大友の兵火を免れた仏涅槃図が存在したとされ、近代の記録にも古い仏画として仏涅槃図が挙げられていた。実際に調査に赴いたところ、これに該当するような作例はなく、近代に描かれたとみられる仏涅槃図1点が確認された。 ただ、当該仏涅槃図とともに存在したという三千仏図と胎蔵界曼荼羅は中世に遡る作品であり、これらが納められた江戸時代の木箱の箱表の墨書には三千仏図と胎蔵界曼荼羅が納められていたことが明記され、加えて「仏涅槃図」とあり、豊前国分寺にこの2幅とともに古い仏涅槃図が伝わっていたことについては確認できた。 なお、豊前国分寺の胎蔵界曼荼羅については既出論文もあり町指定文化財となっているが、三千仏図については未紹介であり、九州に所在する仏教絵画の遺品として、今後広く紹介する必要があるだろう。 他、これまで調査を行った作品の調書や画像などの整理などを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年8月12日から現在に至るまで、産前産後の休暇および育児休業を取得したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に行う予定だった調査・研究を引き続き行う。また、仏涅槃図の調査に付随して発見・調査した資料類についても九州に所在する仏画の基礎資料として公開できるよう研究を進めたい。また、古文書などの記録に照らして失われた作品についてのデータも収集していきたい。
|
Causes of Carryover |
平成29年8月12日より妊娠・出産などにより研究を中断し当初予定していた調査等を行えず、支出がなかった。残額は研究を再開した際に予定の調査を行うために利用する予定である。
|