2021 Fiscal Year Research-status Report
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26770059
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
富岡 優子 北九州市立自然史・歴史博物館, 歴史課, 学芸員 (20508957)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 仏涅槃図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型コロナウイルス感染症拡大、妊娠・出産のやめ予定通りにはならなかったが、仏涅槃図1件、および涅槃図の情報収集などを行った。 1)常妙寺所蔵の仏涅槃図の調査を行った。常妙寺は山口市内に所在する日蓮宗の寺院である。本図の画面中に「南無妙法蓮華経」と題目が示され日蓮宗独自のものと分かる。日蓮宗の涅槃図には近世以降題目入りのものが散見されるが、古いものでは永享6年(1434)の年号を持つ大阪府和泉佐野市の本覚山妙興寺所蔵の仏涅槃図が報告されている。虚空に日月が描かれているのも特徴の一つである。画面右下には「周應軒直篤敬画」とあり、作者が示されているが、この人物がいかなる者かは現状わからない。今後の調査が必要である。また作風、紙の継ぎ方などから、江戸時代後期(18~19世紀)頃の作とみられた。 2)山口・常徳寺所蔵の仏涅槃図について、小倉藩の御用絵師、黒川等育の作例であることが分かった。小倉藩のお抱え絵師についてはそもそも情報がほとんどなく、黒川等育という名が古文書(堅田家文書)にあることを指摘されるのみで、作例については確認出来なかった。またこの作品が小倉藩の小笠原忠雄に召し抱えられた寛文5年(1665)の作例であることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大防止、および産休・育休のため調査などが思うように進まなかった。新たな仏涅槃図の情報収集に関しては順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していたのは中世に遡る仏涅槃図の調査および研究であったが、近隣地域の調査の中で近世以降の仏涅槃図の調査が進んだ。隣県の山口県内の調査も行うことで、一定の成果が上がったと考える。今後は、情報のみで実見をしていない仏涅槃図を中心に、調査研究を行っていく。
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Causes of Carryover |
年度の途中で産前産後休暇、および育児休暇を取得し研究を中断したため。
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