2015 Fiscal Year Research-status Report
比較映画史研究―無声映画期における反古典的形式の形成と展開―
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26770069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 佐和子 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (90705435)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 映画史 / 第一次世界大戦 / 初期映画 / 芸術学 / 大衆文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、19世紀末から1920年代にかけて、主要な映画産業国の映画形式の変遷と他芸術との関連を実証的・多角的に解明するものである。 本年度の成果は以下の通りである。(1)本研究の出発点である博士学位論文『1910年代の比較映画史研究ー初期映画から古典的映画への移行期における映画形式の形成と展開』をもとに、研究書『映画の胎動ー1910年代の比較映画史』を人文書院より上梓した(2016年2月)。(2)海外の一次資料収集と映画調査のため、ボローニャ国際復元映画祭(6月)およびポルデノーネ無声映画祭(10月)に参加した。本映画祭では、とりわけ100年前の映画特集に注目し、まとまった復元成果を分析することができた。(3)ルーヴァン大学(ベルギー)にて、上記研究書に関する報告を行った。また日本映像学会第41回大会にて、第一次世界大戦と日本映画に関する研究報告を行い、それを発展させた英語による講演をトリニティ・カレッジ・オブ・ダブリンにて行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
海外の映画祭および研究機関において資料調査を実施し、多くの映画フィルムおよび一次史料を発見すると共に、これまでの成果をまとめて、研究書を上梓することができた。その間に国内外で複数の研究報告も行うことができたため、研究は当初の計画以上に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も引き続き海外での資料調査を行い、かつ映画祭に参加し、初期のヨーロッパ映画の試写および一次史料を収集する予定である。また、その成果にもとづき論文の執筆を行う。
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