2014 Fiscal Year Research-status Report
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26770092
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
戸塚 学 常葉大学, 教育学部, 講師 (70633014)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近代文学 / 堀辰雄 / モダニズム / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、堀辰雄旧蔵洋書のうち、コクトー関係の旧蔵書の調査が終了した。その成果は「奏」6月号および「奏」12月号に掲載し、発表した。この調査の結果、堀辰雄の旧蔵洋書の中で、コクトー関係のものは堀が初期に翻訳等に利用した原本が残っていることが推測された。また、旧蔵洋書に関する調査を概括し、まとめる形で平成26年1月に東京大学大学院人文社会研究科に博士論文『堀辰雄研究―翻訳から創作へ』を提出した。特に補論の第九~十一章と「補論結論」が当該研究の調査結果をまとめたものである。 また、同論文のうち「『風立ちぬ』論」等の章において、堀の翻訳行為と堀の作品における文体生成の関わりについて具体的に論じた。同論文を通して、昭和作家堀辰雄の翻訳行為と創作行為との関わりを分析する方法を提案した。 また、堀辰雄旧蔵洋書のうち、プルースト関係のものに着手した。プルースト関係の書物の書き込みは非常に量が多いため、今後はプルースト『失われた時を求めて』を精査し、その書き込みの有りようを具体的に明らかにしていく。「奏」の2015年6月号に研究結果の公開を予定しているが、他にも常葉大学教育学部・外国語学部紀要等への研究結果の掲載を検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
堀辰雄旧蔵洋書のうち、プルースト関係書物はその書き込みの量が膨大であり、調査やその結果の報告に時間がかかるため。現在、調査の回数を増やすことなどを検討している。また、発表媒体についても勤務校の紀要に発表するなどの方法を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
堀辰雄旧蔵洋書のうち、当初の研究計画を変更し、プルーストに絞って今後の調査を進めていく。プルーストに関しては堀辰雄の文学への影響の大きさが指摘されているが、実際に堀がどのように書物を読んで影響を受けたのかは充全に解明されているとは言えない。そこで、プルースト『失われた時を求めて』における書き込みの全容をまずは明らかにし公開することを目指していく。
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