2016 Fiscal Year Annual Research Report
Race and Gothic: A Comparative Study of Fiction of Faulkner and Wideman
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26770101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 玲 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60609874)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アメリカ文学 / 人種 / フォークナー / ワイドマン / 男性性 / ジェンダー / シェイクスピア / アフリカ系アメリカ人 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年6月12日に広島経済大学で開催された中・四国アメリカ文学会第45回大会のシンポジウム「アメリカ文学の独立」において、パネリストの一人として「Philadelphia FireにみるThe Tempestの翻案と黒人男性であることの困難」という題目で発題し、これまでの文献調査に基づく成果を公表した。シェイクスピアの『あらし』のアメリカ文学における白人種流作家と黒人男性作家の二つの異なる需要の系譜をたどりながら、ワイドマンの作品における『あらし』の受容の意義について男性性という見地から考察した。発表後、研究論文として公表するにあたり、最終年度内に締切の設定されている査読付の学会誌がなかったので、現在発表内容をもとに鋭意論文を作成中である。 2016年11月19日に秋田カレッジプラザで開催された日本英文学会東北支部第71回大会において、「The Sound and the Furyにおける南部白人Quentin Compsonの苦悩とイタリア系移民の兄妹の役割」という題目で研究発表を行った。南部という歴史的文脈を前提とするこれまでのフォークナー研究と、20世紀初頭のネイティヴィズムの文脈にモダニズム文学を位置付ける研究の両者から十分に検討されてこなかったイタリア系移民の意義について、イタリア系移民の合衆国への同化のプロセスに確認される白人性の見地から『響きと怒り』の第2セクションについて議論した。これも最終年度内に締切の設定されている学会誌がなかったため、2017年5月締切のThe Journal of Japanese American Studiesに投稿するため、論文を鋭意作成中である。
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Research Products
(2 results)