2017 Fiscal Year Annual Research Report
National Theatres in the World
Project/Area Number |
26770105
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
松田 智穂子 専修大学, 経済学部, 准教授 (90646887)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国立劇場 / ナショナリズム / ポストコロニアリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今日各国で採用されている国立劇場制度と文化政策の生成と運営について、その①一国の近代化過程におけるナショナリ ズムと連動した政治的機能、および②インターナショナルな文脈の中で、自国のアイデンティティを確立・発信する文化的機能の二点を、複数のケーススタディを取り上げ、その個々の分析を通じて明らかにすることが目的とする。
今年度はジャマイカ(英語圏カリブ地域)と国立劇場を持たない国・アメリカ合衆国の両ケースに関して、20世紀のブラック・ナショナリズムの展開とナショナル・シアターという切り口から、モダンパジェント・ムーヴメントと併せて考察を継続した。H28年度に実施したジャマイカでの現地資料調査および成果発表を土台に、当該分野に関してモダン・パジェントとナショナリズムの研究を進めた。具体的には、H29年5月 日本英文学会全国大会(於 静岡大学)にてシンポジウム「ポストコロニアル演劇の現在」をオーガナイズし、司会および討論者を務めるとともに、研究発表「国民を創る、女性を創る―Sistren Theatre Collectiveによるモダン・パジェントNana Yah(1980)」を実施した。本発表に関しては、遠からず学会誌に投稿予定である。
また、アジア地域の国立劇場のケーススタディに対する考察を行うべく、H30年2月26日にシンポジウム「アジアの国立劇場―マレーシアと韓国のケーススタディ」をオーガナイズし、各国の演劇を専門とする谷地田未緒氏(マレーシア)と武田康孝氏(韓国)を招聘した。二氏の研究発表後、公開討論の場を設け、コメンテーターを務めつつ意見交換を行った。研究計画調書では、本研究を効果的に進めるために他の研究者から助言や情報を得ることの重要性を強調したが、本シンポジウムはこうした点からも大きな成果が得られた。
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Research Products
(1 results)