2014 Fiscal Year Research-status Report
デジタル時代における次世代へのフランス文学とその研究の継承法について
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26770119
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
廣田 大地 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 講師 (00633885)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ボードレール / フランス文学 / フランス語 / デジタル / インターネット |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実施計画の一つに挙げていた、ボードレールとその現代における漫画・アニメなどのサブカルチャーにおける受容に関しては、平成26年12月28日に開催した「ボードレール研究会」において「押見修造作『惡の華』に見る現代における記号としてのボードレール受容」と題した発表を行い、ボードレール研究者や他分野の研究者との間で、現代におけるフランス文学受容のあり方について議論を行った。 また、ボードレールに関するデータベース整備としては、昨今急速に進んでいる日本国内における学術論文の網羅的データベース化と検索システムの利便化を鑑みて、今回の3年間の研究では、ボードレールの著作の中でも重要性が高い『1859年のサロン評』に的を絞り、このテキストの和訳のインターネットでの無料一般公開と、それに関する資料の整備を目標として作業を行っている。 また、フランス文学をコンテンツとしたWEBアプリ制作も、上記の研究活動と並行して進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、交付申請書にも記載したように「データベースの構築」「フランス詩を題材としたフランス語学習アプリの制作」「漫画『惡の華』におけるボードレール受容の研究を中心とした現代メディアとフランス文学のあり方に関する研究」という異なる3点を同時進行することで、多角的に、次世代に向けたフランス文学とその研究の継承法を検討するものである。この内、データベースの構築に関しては、ボードレールに関する網羅的・大規模なものではなく、『1859年のサロン』という作品に限定することに方針を変更した。その際、参考文献のみならず、その全文の和訳を作成しインターネット上で一般公開することで、ボードレールの専門家以外にも広くその作品に触れる機会を提供できると考えられる。そのため、方針の変更はあるが、デジタル時代における次世代へのフランス文学の継承法という本研究の全体としての目的には相応しいものであり、研究の進度にも問題はないと思われる。残りの2点についてはおおむね順調に予定通り作業が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、アメリカ合衆国ヴァンダービルト大学でのボードレール国際コロックでの研究発表を予定している。データベース作成、アプリ作成については引き続き作業を継続する。
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Research Products
(1 results)