2015 Fiscal Year Research-status Report
デジタル時代における次世代へのフランス文学とその研究の継承法について
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26770119
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
廣田 大地 神戸大学, 学内共同利用施設等, 講師 (00633885)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ボードレール / フランス文学 / フランス語 / インターネット / マンガ / デジタルコンテンツ / 美術批評 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、フランス文学研究促進のためのオープンデータ整備の一環として、フランス詩人ボードレールの美術批評「1859年のサロン」の翻訳・注釈作成と、そのWEB公開の準備作業とを行った。若年層にも親しみやすいよう、WordPressを用いて研究代表者自身がWEBページを作成し、下記のurlにて試験的に公開を始めている。http://www.litterature.jp/baudelaire/critique/salon1859/ アプリ開発に関しては、前年度の基礎研究の成果をもとに、詩を用いたフランス語学習のための学習WEBサイトのインターフェイスを作成し、下記urlにおいて試験的に公開している。http://www.litterature.jp/poefra/ また、学習WEBサイト開発の基礎研究論文として「フランス語単語練習WEBページ「フラ単」を用いた授業運営について」を発表した。 現代日本サブカルチャーとボードレールの関わりについては、計画していたように、アメリカ合衆国ヴァンダービルト大学にて開催された日本におけるボードレール受容を主題とした国際学会において、 「The Flowers of Evil (Aku no Hana, 2009-2014), The Japanese Manga by Shuzo OSHIMI」と題した研究発表を行った。この内容は論文として、同大学において発行されている研究誌「AmeriQuests」に投稿済みであり、2016年4月現在、査読中である。 上記のようなデジタルコンテンツとフランス文学との関わりについて、先駆的な試みを行いつつも、フランス文学に関する基礎研究も並行して行っており、平成27年度においては、ボードレール研究に関して「ボードレールとパスカル―信仰と想像力に関して」という論文を発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において挙げた3つの分野である、ボードレール研究情報データベース開発、フランス詩を用いたフランス語学習アプリ開発、現代日本サブカルチャーにおけるボードレール受容研究のうち、3つともがほぼ予定していた進度で進んでいるため、平成27年度終了時における進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画において挙げた3つの分野の内現代日本サブカルチャーにおけるボードレール受容研究については、国際学会での発表と、国際誌への投稿を終え、予定していた研究内容に達している。3年目にあたる平成28年度においては、残りのボードレール研究情報データベース開発、フランス詩を用いたフランス語学習アプリ開発の2点に集中して研究活動を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究補助のために学生研究支援員を雇用することを計画していたが、当該学生のスケジュール上の都合や、雇用のための事務手続きの遅れのために、予定していた時間数の雇用を行うことが出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度においては、前年度に使用できなかった分も含めて、研究補助のための支援員の雇用数を増やし、よりいっそうの研究内容の充実を図る。
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Research Products
(6 results)