2016 Fiscal Year Annual Research Report
Wells, Gates, and Bridges as Depicted in Classical Chinese Literature: "Places" as Boundaries and Their Surroundings
Project/Area Number |
26770130
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
喜多 藍 (山崎藍) 明星大学, 人文学部, 准教授 (10723067)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国文学 / 井戸 / 門 / 橋 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国古典詩歌を中心に、文言小説などの古典文献を題材として、中国古代に井戸や門、橋が如何なる空間と認識されていたかを考察する。中国の井戸・門・橋に関しては、文言小説や史書などを用いた先行研究で、この世と異界を繋ぐ境界として描かれているとの指摘がある以外、ほとんど検討がなされていない。しかしこれらを題材にした文献は数多くある。中国古代において境界となる「場」にどのようなイメージが附されていたかを加味することで、作品の新たな風貌を明らかにし、そこに込められた感慨をより正確に理解出来るためである。最終年度である本年は、井戸・門・橋に関するデータ収集とフィールドワークなどを行い、具体的に以下の作業を行った。
①8月22日から8月25日まで大韓民国でフィールドワーク・資料調査を行った。8月23日は国立金海博物館にて井戸から出土した呪符木簡を調査したほか、高麗大学の朴賢淑先生と懇談、韓国の出土文物・文学研究の現状や展望について専門的な知見を得た。調査資料は、②で発表した。 ②2017年12月、新典社より、「中日井戸異聞」と題して、中国・日本を中心とした東アジアにおける井戸のイメージと文献描写について発表した。①で得た成果物の一部を反映させている。 ③学会発表を今年度中には行えなかったが、2017年度の6月に、井戸に関する査読発表を行うことになっている。 ④門・橋についてはデータをまとめたが、本年度中の成果発表に至らなかった。ただし、2017年度中に訳注などでの発表を計画しており、2017年度から助成を受ける科研費と併せて研究を継続予定である。
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