2017 Fiscal Year Research-status Report
数の仕組みとその文法・情報構造との連関の通言語的研究
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26770135
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
野元 裕樹 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (10589245)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 態 / 定性 / 特定性 / 情報構造 / マレー語 / コーパス / 辞書 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当初の目的は、私が提案した、伝統的な単複二項対立に代わる、4範疇から成る基本的数範疇体系(単数[1]、2種類の一般数[1以上]、複数[2以上])の仮説の妥当性を以下の3つの観点から論証・検証することであった。①一部の言語の複数形に見られる特定性(specificity)に関わる特徴が、類別詞を含む表現にも見られるかを調べ、類別詞を数標示と分析できるかどうかを明らかにする。②「一般数」を表す表現を認定するための通言語的に有効な客観的手順を確立し、一般数に2種類あるのかどうかを明らかにする。③4範疇仮説に基づき、文法・情報構造に関わる現象を捉え直し、伝統的数体系による記述と説明力を比較する。 昨年度は、日本学術振興会の頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「危機言語・少数言語を中心とする循環型調査研究のための機動的国際ネットワーク構築」により、シンガポールのナンヤン工科大学に派遣され、同プログラムの研究課題に集中することとなっていたため、本研究に直接的に取り組むことは難しかった。しかし、頭脳循環プログラムの課題により構築した研究資源は、本研究で活用することができるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、研究期間の最終年度であったが、日本学術振興会の頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「危機言語・少数言語を中心とする循環型調査研究のための機動的国際ネットワーク構築」により、シンガポールのナンヤン工科大学に派遣され、同プログラムの研究課題に集中することとなっていたため、本研究に直接的に取り組むことは難しかった。そのため、補助事業期間を1年間延長し、研究を継続することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度は、複数形と定性・特定性の関連について、昨年度に構築したコーパス、形態情報辞書を活用して、詳しい調査を行い、研究論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「危機言語・少数言語を中心とする循環型調査研究のための機動的国際ネットワーク構築」により、長期間、ナンヤン工科大学に派遣されていたため、同課題に集中することになったため。
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Research Products
(8 results)