2015 Fiscal Year Annual Research Report
モダリティ表現の特徴及び分布: 機能範疇・補文標識の役割の視点から
Project/Area Number |
26770138
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
宗像 孝 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 非常勤教員 (70637941)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生成文法 / 統語論 / モダリティ表現 / 補文構造 / modal base / CP領域・機能範疇 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に、International Workshop on Syntactic Cartography 2015(北京語言大学:12/6)にて、発表し、日本語で主動詞が特定のモダリティ環境を補文構造内に要求する場合、補文構造の最上位にある機能範疇/Forceと関係を結び、必要なモーダル基盤の値を設定すると主張し、ゆえに疑問節の補文構造を導入し、ForcePの主要部に位置し、Forceの値を疑問に設定する「か」と共起できないことを示した。同様に、FinPの主要部の「の」が補文構造を導入する時、更に上に位置するForceまで統語構造が派生されないので、Forceが欠落するため、非文になることを提示した。質疑応答では、幅広く活発な議論を行い、今後の発展につながるものであった。又、ストーニーブルック大学のLarson教授等と情報交換を行い、貴重な知見を得た。 次に、12/23に本学みなとみらいキャンパスにて、須藤講師(ロンドン大学)、阿部氏(東北学院大学)、上田教授(秋田大学)の3名を招聘し、ワークショップを行った。須藤講師は意味論の見地から従属節内のモダリティ環境が主語の解釈に与える影響について発表を行い、次に阿部氏が英語の従属節における省略現象における統語上のふるまいから機能範疇の役割を示し、最後に上田教授が日本語の統語構造において、モダリティ表現の統語上の性質が階層関係に色濃く反映されていることを発表をした。いずれも、本研究に示唆深い発表で、大変有意義な議論が行えた。又、須藤講師とは日本滞在中に3回面談を行い、メールを含め、大変有意義な情報提供を受け、研究内容が格段に前進した。 予算の関係で、現地調査が行えなかったが、今までの研究成果の蓄積を活用し、研究を一層深められ、プロジェクトの方向性を定まり、今年度の進展により、将来的に大いに期待が出来る基盤を築けたのは貴重な成果であった。
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Research Products
(2 results)