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2014 Fiscal Year Research-status Report

漢語北部呉方言におけるトーンクロックに関する実証的研究

Research Project

Project/Area Number 26770145
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

増田 正彦  九州大学, 人文科学研究科(研究院), 研究員 (40614053)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords呉方言 / 無錫方言 / 蘇州方言 / トーン / トーンクロック
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、漢語北部呉方言に見られるトーン(音の高低の型のこと)の交替現象の記述を行い、その仕組みの解明に寄与することである。特に、トーンクロック現象(例えば、A型のトーンがB型に、B型のトーンがC型に、C型のトーンがA型に交替するというような現象)を中心に研究を行う。平成26年度は、平成26年8月および平成27年3月に、主として中国江蘇省の無錫市および蘇州市において、北部呉方言の調査研究を実施した。 この調査では、どのような型のトーンがあるのか、それぞれどのような環境でどう交替するのかについて、地域差、年代差を含めて、調査を行った。その結果、以下のような研究成果が得られた。
1. 単音節の語における場合と多音節の語における場合とではどう異なるのかについて、従来よりも記述の精度が高まり、無錫方言内および蘇州方言内における方言差の一端が明らかとなった。
2. トーンクロック現象を多様な観点から観察するために、多音節の語の調査には外来語や無意味語も積極的に含めた。その結果、調査対象であるいずれの地域においても、トーンクロック現象およびその類似現象は、高い生産性を持つ現象であることが示唆される結果となった。
3. トーンクロック現象に関連して、前軽声(後続する語の有無などがトーンの実現にどのように影響するのか。特に、型の間の区別は保たれるのかどうか)についても、記述の精度を高めた。
4. 北部呉方言におけるトーン交替に統語構造がどのように影響しているのかについて、記述の精度を高めた。その結果、北部呉方言内における方言差の一端が明らかになりつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現地(中国江蘇省)での方言調査については、現地の関係者の協力が得ることができ、調査研究を順調に進めることができた。また、予想以上に円安が進行し旅費の支出が当初の計画よりも膨らんだが、言語コンサルタントに無報酬で調査協力を依頼する等により、滞りなく現地調査を進められた。

Strategy for Future Research Activity

研究目的・研究計画に照らし、さらに北部呉方言のトーンクロックに関わる記述を推し進める。引き続き、現地の関係者の協力を得られるように努める。また、当初の研究計画に従い、平成27年度は、平成26年度分および平成27年度分の研究成果について、論文や学会発表等によって、公表を行う。

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Published: 2016-06-01  

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