2014 Fiscal Year Research-status Report
中国北方のモンゴル系危機言語の文法記述とドキュメンテーション
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26770146
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| Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
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Principal Investigator |
山越 康裕 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70453248)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 言語ドキュメンテーション / 記述言語学 / モンゴル諸語 / ブリヤート語 / ダグール語 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、1) シネヘン・ブリヤート語の一次資料の整理、2) シネヘン・ブリヤート語の文法調査、3) モンゴル語ホルチン方言の一次資料収集と分析、4) ダグール語ハイラル方言文法調査、5) モンゴル諸語に関する文献収集をおこなった。以下、それぞれの概要を記す。
1) シネヘン・ブリヤート語の一次資料の整理: 代表者がこれまでの現地調査で得た民話資料について、文法情報の付与とモンゴル文字による傍訳作成をおこなった。夏季（8月）に中国・内蒙古自治区呼倫貝爾市鄂温克族自治旗錫尼河蘇木に行き、そこでコンサルタントとともに不明箇所の確認作業をおこなった。
2) シネヘン・ブリヤート語の文法調査: 代表者がこれまでの現地調査で得た例文のうち、とくに文末に所有人称小詞が出現する用法に関して、現地調査で情報補完をおこなった。この成果は「ブリヤート語の文末所有人称小詞」として報告した。
3) モンゴル語ホルチン方言の一次資料収集と分析: 日本国内に在住するモンゴル人留学生をコンサルタントとし、モンゴル語ホルチン方言の一次資料収集をおこなった。調査では基礎語彙訳800語、例文調査票による例文収集約200例を録音した。例文に関しては文字化・文法情報の付与を行ったうえで、「モンゴル語ホルチン方言テキスト：日常会話を題材とした基本文例集」として公開した。
4) ダグール語文法調査: 研究協力者である山田洋平氏（東京外国語大学大学院生）を中国・内蒙古自治区に派遣し、ダグール語ハイラル方言の文法調査をおこなった。
5) モンゴル諸語に関する文献収集: 夏季に代表者がモンゴル国ウランバートル市で、協力者の山田氏が中国・内蒙古自治区呼和浩特市にてそれぞれモンゴル諸語研究に関する文献収集を実施した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、代表者は夏季（中国・ロシア・モンゴル）と春季（中国）の計2回、現地調査を実施する予定であったが、他の活動との日程調整がうまく進まず、結果として夏季1回のみ、かつ中国・モンゴルのみの現地調査となった。しかしながら、効率よく調査を進めることができたため、当初予定していたとおりの成果を公開することができた。以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究に関しては、当初の研究計画に沿って展開することを予定している。ただし、研究協力者として平成26年度に協力を得た山田氏が平成27年度に科研費（特別研究員奨励費）を獲得し、そちらでダグール語の記述研究を進めることになったため、本研究課題としてはブリヤート語、モンゴル語ホルチン方言のほか、内モンゴル地域の諸方言に対象を変更して課題遂行にあたる。
また、今年度以降はシネヘン・ブリヤート語の一次資料をより充実させるために、オーラル・ヒストリーの収集に力を入れる。こちらについては日本国内に在住するシネヘン・ブリヤート語母語話者をコンサルタントとし、音声・映像資料を収集する予定である。すでに昨年度末に予備的調査を実施しており、コンサルタントとして協力していただく旨、了承いただいている。平成27年度は、シネヘン・ブリヤート語に関してはこのオーラル・ヒストリー収集と文末付属語のふるまいについての記述・分析を重点的におこなう。他のモンゴル諸語に関しては、日本国内に多くの留学生が在籍している状況を踏まえ、可能なかぎり留学生をコンサルタントとし、一次資料の収集を進めていく。
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| Causes of Carryover |
春季現地調査のための時間を確保できず、調査を断念したため、繰り越し額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
科研最終年度である2016年度の内定額が現地調査を実施するには十分ではなく、十分な検証作業がおこなえない。そのため現時点では2015年度は当初計画通りの執行とし、その残額を2016年度の旅費として執行することを計画している。
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Research Products
(6 results)
