2014 Fiscal Year Research-status Report
韓国語サイッソリにおける意味構造とプロソディの方言・言語対照研究
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26770157
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
ホワン ヒョンギョン 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (80704858)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Laryngeal contrast / Fricatives / Kyeongsang Korean |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、主に、慶尚東部方言における音韻対立の産出と知覚を明らかにするための調査を行った。多様な音韻環境を考慮して、摩擦音の対立がある語彙リストを作成した。慶尚東部の若年層および中年・高齢層話者の募集をし、録音の予備および本実験の実施した。また、比較のため、摩擦音の対立があるといわれている韓国語の標準語(ソウル)話者に対しても同じ実験を行った。
得られたデータを音響・統計的に分析し、慶尚東部における音韻対立の産出の特徴を調べた。その結果、慶尚東部の中年・高齢層話者においては平音・濃音の区別がなく、濃音は平音のような音響的特徴をもつことが分かった。この結果に基づき知覚テストの刺激を準備した。試験的なテストで実験方法を検証した上、実際の知覚実験を行った。実験結果は国際学会「Laboratory Phonology 14」で発表をした。
さらに、サイッソリにおける意味構造の影響を検討するため、語彙リストの作成および被験者の募集など、実験の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した慶尚東部方言における音韻対立の産出と知覚の特徴が明らかになった。また平成27年度に予定している意味構造の影響を検討するテストの準備も順調にできている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、意味構造のサイッソリへの影響および慶尚東部方言の複合語プロソディについて調査を実施する予定である。詳しくは、1) ソウルと慶尚東部方言において、産出と知覚・解釈テストの予備および本実験行う。2) その結果を国際学会で発表する。3)サイッソリにおけるプロソディの影響を検討する前に、まだ明らかになっていない慶尚東部方言の複合語プロソディについて調査を実施し、分析する。この結果は国内の学会で発表する。4) 慶尚東部方言の複合語プロソディ調査の結果に基づき、サイッソリにおけるプロソディの影響を検討するため、語彙リストの作成および被験者の募集を行う。
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