2015 Fiscal Year Research-status Report
韓国語サイッソリにおける意味構造とプロソディの方言・言語対照研究
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26770157
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
ホワン ヒョンギョン 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, PDフェロー (80704858)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Laryngeal contrast / Fricatives / Kyeongsang Korean / Compound / Branching constraint |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、韓国語のサイッソリ現象において、音韻と韻律情報がリスナーの知覚と構造解釈に及ぼす影響を、音響音声学的知見とともに心理言語学的実験によって明らかにすることを目標としている。 本年度は26年度に得られた音響テータ基づき、慶尚東部方言の高齢層における知覚テストを行った。具体的に、摩擦音の音声区別および摩擦音を含む複合語の意味解析テストを実施し、この方言の高齢層には摩擦音のlaryngeal contrastが無いことを確かめた。さらに、摩擦音の区別がないため、摩擦音を含む複合語の意味解析に影響を及ぼさないことが明らかになった。昨年度および今年度の実験で得られた結果を論文にまとめ学術雑誌への投稿を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に得られたデータに基づき、計画していた慶尚東部方言の高齢層における知覚テストを行った。その結果、この危機方言の摩擦音に関する特徴、およびこと方言の音韻体系が摩擦音を含む複合語の意味解析におよぼす影響が明らかになった。また、実験の結果を論文にまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
慶尚東部方言の高齢層における知覚テストを行ったが、さらに慶尚東部方言の若年層および標準語話者との比較も必要であるため、データ収集の範囲を拡大する。また、国際学会での発表と論文の投稿も予定している。
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Causes of Carryover |
実験の結果を国際学会で発表する予定であったが、慶尚東部方言の高齢層におけるテストの実施中インフォーマント募集やテスト方法に変更の必要性があったため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、慶尚東部方言の高齢層におけるテストの結果発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てること としたい。
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