2014 Fiscal Year Research-status Report
地方自治体の窓口における外国人対応支援のための研究
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26770178
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
柳田 直美 一橋大学, 国際教育センター, 講師 (60635291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / 異文化理解 / 日本語教育 / 接触場面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地方自治体の窓口における外国人窓口対応の支援プログラムを開発することを目的としている。平成26年度は第一段階として、外国人窓口対応の実態調査、および日本人の「説明」に対する評価尺度策定を行った。 (1)窓口での外国人対応の実態調査 まず、外国人に対応する際の日本語使用に対する意識、及び普段の外国人対応の事例、毎回の対応時間等について窓口対応担当者にアンケート等による聞き取り調査を行った。また、外国人に対しても窓口での経験事例を調査した。次に、窓口対応のやりとりを調査した。ただし、窓口での実際のやりとりを収録することはプライバシー保護の観点から非常に困難であるため、事前に収集した、窓口で多く発生する問題事例をもとにロールプレイ課題を作成し、窓口対応担当者に外国人を相手に模擬的に演じてもらい、その場面を収録した。その後、会話の内容について、日本人・外国人双方にインタビューを行い、言語行動面だけでなく意識面についてもデータを収集した。 (2)日本人の「説明」に対する評価尺度の策定 外国人窓口対応の支援プログラム開発に必要となる、日本人の「説明」を外国人が評価するための評価尺度の策定を行った。日本人の「説明」を外国人がどのような観点から評価しているかを明らかにするために、母語話者による非母語話者に対する「説明」を視聴した第三者による印象評定を行い、因子分析を行って評価の観点を探索的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要(1)で示した窓口での外国人対応の実態調査は、協力機関の協力を得て、すでに終了している。また、(2)についても外国人協力者の協力を得て、一定数のデータを収集し、分析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は第二段階として平成26年度に収集した会話データとインタビューデータの分析を行う。また、平成26年度に策定した日本人の「説明」に対する評価尺度については、外国人窓口対応の支援プログラムで援用可能な形に整備する。 (1)会話データとインタビューデータの分析 まず、平成26年度に収録した窓口における外国人対応のやりとりを再現したロールプレイデータの分析を行う。談話分析の手法を用い、外国人対応場面の言語行動の特徴を明らかにする。次に、ロールプレイ後に実施した窓口対応担当者および外国人に対するインタビューデータの分析を行う。 (2)日本人の「説明」に対する評価尺度整備 平成26年度に収集・分析して策定した日本人の「説明」に対する評価尺度を用いて評価を試行し、外国人窓口対応の支援プログラムで利用しやすい形に表現、形式、提示方法等を整備する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、窓口での外国人対応の実態調査の協力者、および日本人の「説明」に対する印象評定調査において謝金を支払ってデータを収集したが、会話データおよびインタビューデータの文字起こしまで至らなかったため、文字化等委託費が計上できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、文字起こし等を業者に依頼し、平成26年度使用予定分を使用する。
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Research Products
(15 results)