2015 Fiscal Year Research-status Report
大学院留学生のための多文化間関係調整能力を高めるための教育プログラムの開発
Project/Area Number |
26770179
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 ひとみ 名古屋大学, 国際機構, 准教授 (90420364)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 留学生教育 / 関係調整能力 / 教育プログラム / グループ・アプローチ / 多文化間共修 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度の研究成果をさらに発展させるために、大学院留学生を対象に、日本における留学体験や学習・研究活動の状況、コミュニケーション状況、対人関係状況、大学の環境に関するインタビュー調査を進めた。インタビュー結果については、研究会等で発表を進めてきた。今後もさらなる分析を進め、今後研究論文として投稿する予定である。
インタビュー結果を踏まえて、大学院留学生の多文化間関係調整能力を高めるために必要とされる多文化間グループ・アプローチを活用した留学生と日本人学生のためのプログラム開発し、実施した。プログラム開発のために、国内外の研究論文や文献を収集し、多文化間グループ・アプローチに関する理論や技法の整理を行った。その上で、プログラムを開発を行い、実施した。実施後は、参加者を対象にアンケート調査を行い、プログラムの効果を明らかにすることを試みた。この研究による多文化間グループ・アプローチの開発、実施方法の検討、成果について、多文化間共修に関する図書にまとめ、平成28年度に刊行される予定である。
さらに、研究成果の深化を目指して、アジアからの留学生の状況について把握するために、中国人留学生の学生生活に詳しい江志遠氏にヒアリングや研究会での発表を依頼し、情報収集を行った。また学会、研究会、研修会等に参加し、他大学における先進的な取組みや留学生が置かれている環境について情報収集を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学院留学生に必要とされる多文化間関係調整能力及びその支援の方法を検討するインタビューについては、平成26年度、27年度に取り組んだ。平成28年度は、インタビュー結果を論文として投稿する予定である。多文化間グループ・アプローチに関する先行研究や調査の実施はおおむね順調に進展している。計画では、国際教育担当者のための国際学会に参加し、アメリカの大学における実践や成果研究について調査する予定であったが、この部分については、平成28年度に実施し、国内外の研究者と討議および情報交換を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、継続して多文化間グループ・アプローチを活用した教育プログラムの実施を研究を進める。さらに研究成果を論文にまとめていく作業を進める。平成28年5月にはアメリカで開催されるNAFSA(National Association for International Educators)に参加し、留学生の多文化間関係調整能力を高めるための教育方法や大学における多文化間共修の環境づくりについて検討するセッションにモデレーターとして参加し、国内外の研究者と討議および情報交換を行う予定である。その結果も踏まえて、研究成果の総括として、多文化間グループ・アプローチのファシリテーション論の構築を試みる。
|
Causes of Carryover |
平成27年度は、国際学会において情報収集や調査をする予算が不足したため、今年度繰り越した分を含めて、平成28年度5月にアメリカにおいて開催される国際学会に参加する予算を確保し、海外における動向の調査や本研究の成果について情報交換する予定にしている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年5月にはアメリカで開催されるNAFSA(National Association for International Educators)に参加し、留学生の多文化間関係調整能力を高めるための教育方法や大学における多文化間共修の環境づくりについて検討するセッションにモデレーターとして参加し、国内外の研究者と討議および情報交換を行う予定である。その結果も踏まえて、研究成果の総括として、多文化間グループ・アプローチのファシリテーション論の構築を試みる。
|