2015 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児音声の音響的分析と早期外国語教育の可能性の検討
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26770194
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 友子 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (10726334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳幼児音声 / 音声発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度から引き続き日本語圏、中国語圏、英語圏の環境における乳幼児と養育者との日常生活における音声データの収録および整理を行った。特に今までデータベースにて不足していた日本語圏の乳幼児の月齢1ヶ月~12ヶ月、および3歳の乳幼児とその養育者の音声の収録を行うことができた。 中国語圏の乳幼児(月齢15、20、24ヶ月)の音声について音響的性質および時間構造を調べた。乳幼児音声は高周波数帯域を含むため、臨界帯域を模擬した22個の通過帯域フィルター郡を用いて、臨界帯域間の相関係数行列に基づいて因子分析を行った。その結果、20ヶ月、24ヶ月においては、低周波数因子、1600Hz付近の中帯域因子、高帯域因子の3つの因子を抽出し、それらの因子は先行研究の示した成人音声における因子分析の結果、および日本語圏乳幼児、英語圏乳幼児の音声における因子分析の結果と共通していた。このことから乳幼児の属する言語環境に関わらず、調音器官の発達に伴うスペクトル変動の発達的変化が存在するのではないかと考えられた。また、時間的な周期を探るために,因子分析で取り出した因子得点の自己相関関数を算出した。その結果、月齢が15, 20, 24ヶ月上がるにつれて、時間間隔が短くなることが明らかになった。 日本語圏の幼児(3歳)とその養育者の会話音声について、話者交替における時間間隔を調べた。その結果、幼児から養育者への話者交替における時間間隔に比べて、養育者かから幼児への話者交替における時間間隔は、比較的長かったが、幼児は、会話の話者交替における適切な時間間隔を身につけていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国語圏の乳幼児音声に関しては、15~24ヶ月の乳幼児の音声を収録することができ、音響分析も行い、おおむね順調に進展している。また、日本語圏の幼児とその養育者の会話における時間構造についても分析を行った。英語圏の乳幼児の音声の収録に関しては、オーストラリア(シドニー)の大学付属のいくつかのチャイルドケアセンターを訪問して連携を深めているが、分析に必要な十分な乳幼児音声の収録が出来ていない。また、日英バイリンガルの乳幼児音声の収録音も十分に出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
英語圏および日英バイリンガル環境における乳幼児音声の十分な録音データが揃っていないため、知覚実験を変更して、日本語圏の乳幼児とその養育者における会話の時間構造に関する分析を行う。また、日本語環境に育ち英語の早期教育を希望する3歳から5歳の幼児のいる家庭を募る。リズムを伴う英語文を作り、それを幼児に模倣させるなどの課題を試験的に与え、適切な課題を作成する。
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