2019 Fiscal Year Annual Research Report
Acoustic Analysis of Infant Speech and Examination of the Possibility of Early Foreign Language Education
Project/Area Number |
26770194
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 友子 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (10726334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語獲得 / 早期英語教育 / 音声分析 / 母音 / アクセント |
Outline of Annual Research Achievements |
EFL 環境の幼児(4歳から6歳)を対象に、音韻獲得を調べることを目的として、定期的に英語活動ワークショップを開催した。英語活動ワークショップでは、歌やダンス、ゲームなど英語音声に慣れ親しむ活動を行った。このワークショップは2018年度から継続して行っており、約1年間ワークショップに継続的に参加した幼児を対象に音声の収録を行った。 まず、6母音を含む英単語のミニマルペア30個を音声刺激として作成した。幼児が音の違いを認識できているか確かめるために30個の刺激の音声とイラストをパソコンで提示して聞き取りの確認を行った。その結果、平均正答率は90% 以上であったが、iとeについては80%と他のミニマルペアに比べて正答率が低かった。次に、幼児は知覚実験で用いた音声を1回ずつ聞き発音した。幼児の音声は小型家庭用録音機を用いて録音された。幼児の音声は、音声分析ソフトPraatを用いて分析した。録音した音声の母音の音響的特徴を表す第一フォルマントと第二フォルマントを求めた。その結果、aの発音について、F1・F2の値がそれぞれ重なっており音を区別していないことが明らかになった。また、iとe については、知覚実験の正答率も低く知覚と生成の関連性を示唆している。 次に、英語からの「外来語」である日本語と英語(例えば、ライオンとlion、ケーキとcake)を対にした19単語の発音について音節単位で調べた。幼児は、日本語と英語と対になった単語を発音した。音声分析ソフトPraatを用いて、各単語の音節の時間長、音圧、基本周波数を分析した。その結果、幼児は弱音節と強音節を、音節の時間長、音圧、基本周波数の観点から英語と日本語では区別して発音していることが明らかになった。また2重母音に関しては、長母音になる傾向も観察された。
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