2016 Fiscal Year Research-status Report
英語における非顕在要素を含む構文の効果的指導法-構文横断的・言語横断的視点から
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26770198
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
桃生 朋子 目白大学, 外国語学部, 客員研究員 (30585807)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非顕在要素 / 母語の転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
“A 非顕在要素がもつ解釈は、どのような言語理論上の計算のもと付与されるのか、B 学習者が起こす誤りの原因は、転移によるものか、有標性の理論によるものか、C 学習段階により誤りを起こす原因は異なるのか、の3つの課題に答えることで、D 英語における非顕在要素を含む構文の効果的指導法を開発することを目的としている。 2016(平成28)年度は、上記課題のうちA、B、Cを主軸に、広東語を母語とする日本語学習者を対象に、日本語における非顕在要素を含む文の解釈について実験を行った。その結果、学習者が起こす誤りの原因は有標性の理論によること、さらに学習段階により転移が起こること、学習者の母語に応じた習得の過程が明らかになった。 その後結果を精査する中で、新たな仮説を提示した。その仮説とは、日本語や英語、そして韓国語や中国語における非顕在要素の性質が異なり、学習者が有している母語知識も異なる可能性があること、そして、母語が同じであっても、学習環境が外国語環境か、母語環境かにより、第二言語の知識が異なること、である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな仮説の構築に向け、新規実験計画の練り直しを行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度(平成29年度)は、新たな仮説を軸に、研究のさらなる発展を試みたい。まずはそれぞれの言語における非顕在要素がどのような派生に基づき解釈を付与されるのかを精査し、言語間の違いをさらに明確化する。そして、学習環境が知識に及ぼす影響がどのレベルの学習者まで及ぶのか、といった問いにも取り組みたい。そのためには、2016年度に行った実験の追実験も行う必要がある。それらの成果により、上記課題Dについても新たな仮説を提示することになる。
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Causes of Carryover |
新たな仮説の構築にあたり、予定していた実験や研究発表を見送らざるを得なくなった。そのため、旅費や人件費、物品費を次年度に使用せざるを得なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017(平成29)年度は新たな実験案の確立、実験実行のため、物品費、人件費が必要である。また国内研究発表を2回行う予定であり、旅費が必要である。
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Research Products
(3 results)