2015 Fiscal Year Research-status Report
機械学習によるスピーキングの基準特性抽出と習熟度推定
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26770205
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小林 雄一郎 東洋大学, 社会学部, 助教 (00725666)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自動採点 / スピーキング / コーパス / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に行った基礎研究の結果を対外的に発表し、最終年度の方向性を決定するためのフィードバックを関連分野の研究者より得た。とりわけ、Second International Symposium on EFL Writing in East Asia、Symposium on Second Language Writing (SSLW) 2015、Pan-Pacific Association of Applied Linguistics (PAAL) 2015、The 19th Joint Workshop on Linguistics and Language Processing (JWLLP)、Language in Focus (LIF) 2016などの国際会議での発表を多く行った。そして、本研究で実装した自動採点システムで用いられている言語項目リストを策定した研究者たちから直接フィードバックを得られたのは非常に大きい成果であった。 また、単に学習者の言語的パフォーマンスから習熟度レベルを推定するだけでなく、自動的なフィードバックの仕方を想定した統計モデルの策定に着手した。さらに、学習者の母語による習熟度発達過程の違い、タスクによる言語的パフォーマンスの違いなどを考慮したデータ解析の方法論を模索し、試験的な分析を積み重ねた。 そして、本研究ではこれまで用いられてこなかった言語的特徴の自動抽出に向けて、様々な語彙多様性指標やリーダビリティ指標を網羅的に算出するためのプログラムや、未加工の英文から様々なテキスト情報を抽出するためのプログラムを実装し、その解説とともに論文形式で発表した。 最後に、関連分野の研究者とともに、国内では恐らく初めてとなるライティングおよりスピーキングの自動採点・自動評価に関するシンポジウムを年度末に開催し、主に言語教育関係の参加者から好評を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の「研究実績の概要」の欄に書いたとおり、本年度は非常に多くの研究発表を行った。また、現在3本の英語論文を国際誌などに投稿中であり、1本が採択決定後の修正中であり、残りの2本が査読中である。また、過去2年の研究活動を通して、英語教育関連の研究者のみならず、理論言語学、言語テスティング、教育工学、情報科学、統計科学などの研究者とのネットワークを形成することができたのは、最終年度の研究活動、さらには、その後の研究活動に大きなプラスとなるはずである。
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Strategy for Future Research Activity |
原則として、最終年度は、これまでの研究成果(習熟度推定そのものだけでなく、学習者の特徴抽出、フィードバック、手法の開発なども含む)をできるだけ多く、それも英語論文として発表することである。なお、英語で発表することの意義は、国内のみならず、世界中の関連分野の研究者に向けた情報発信を可能にするためである。上記のとおり、現在3本の論文を投稿中であるが、2016年度中に、あと3本の論文を投稿する予定である。それに向けた準備状況として、すでに文献調査、データ収集、データ解析がおおむね終了している。
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Causes of Carryover |
所属機関変更にともない、通常業務の量が増加し、当初参加する予定であった国際会議(Learner Corpus Research 2015, CamTesol 2016)に参加できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度発表できなかった成果を別の会議で発表するための旅費および、成果発表に関する諸経費として執行する予定である。
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Research Products
(15 results)