2016 Fiscal Year Annual Research Report
Red Cross Humanitarianism and the Creation of International Public Health Order in Asia Pacific
Project/Area Number |
26770210
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
牧田 義也 立命館大学, 政策科学部, 助教 (90727778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グローバル・ヒストリー / トランスナショナル・ヒストリー / アメリカ史 / 国際赤十字運動史 / アメリカ赤十字社 / 医療史 / 人道支援事業史 / 公衆衛生制度史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀転換期以降1920年代までのアジア太平洋地域における公衆衛生制度の形成過程に対して、アメリカ合衆国(以下合衆国と略記)の海外医療事業が与えた影響を、アメリカ赤十字社及び同社が主導した国際赤十字連盟の保険事業に焦点を当てて考察する。この目的のために、平成28年度は国内外で関連史料の調査・収集を実施するとともに、研究成果を国内外の学会・学術会議での報告等のかたちで発信した。 まず国内での史料調査については、日本赤十字豊田看護大学、岐阜県立図書館、上智大学図書館、国会図書館等の諸機関において、関連する非公刊文書類や稀少本類を中心とした調査・収集を実施した。次いで、国外での史料調査については、合衆国ニューヨーク市公共図書館および同市の市立文書館にて、非公刊文書類の収集につとめた。これらの史料調査によって、アジア太平洋地域における公衆衛生制度の形成過程に対して、国際赤十字運動を中心とする人道主義事業が果たした役割について、実証分析を行うための基礎的史料を着実に収集・分析することが可能となった。 研究成果の発信については、7月にベルギーで開催されたWorld History Association年次大会、9月にはオーストラリアのフリンダース大学で開催された赤十字史を主題とする国際会議、10月には台湾で開催されたアジア医療史学会において、研究報告を行った。国内では、9月に日本アメリカ史学会年次大会において、関連する研究報告を行った。以上の研究成果の報告・発信を通じて、アジア太平洋地域における人道支援事業の歴史のなかでの、アメリカ赤十字社の役割と位置づけを明らかにすることができた。
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Research Products
(4 results)