2015 Fiscal Year Research-status Report
近代天皇制における行幸の政治的意義―昭和戦前期~敗戦直後の連続・断絶を中心に
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26770217
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
瀬畑 源 長野県短期大学, その他部局等, 助教 (10611618)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 天皇制 / 昭和天皇 / 歴史学 / 政治学 / 日本近代史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現在の象徴天皇制の下でも重要視されている行幸の政治的役割を、戦前戦後の連続・断絶に着目して、歴史的に明らかにすることである。 平成27年度は資料調査を行った。 1.宮内庁書陵部宮内公文書館所蔵『幸啓録』の関連文書の調査を行った。1942年の伊勢神宮行幸に関連する幸啓録の簿冊7冊を閲覧し、重要な部分の複写を行った。また、簿冊目次や訪問先をExcelに打ち込んで整理を行った。2.訪問先の府県庁の行政文書の調査を行うため、三重県立総合博物館(簿冊10冊)、奈良県立図書情報館(簿冊5冊)、京都府立総合資料館(簿冊56冊)において、1940年及び42年の行幸に関連する資料の閲覧及び重要な部分の複写を行った。 また、以下の研究成果を発表した。 1.戦前戦後の連続・断絶を明らかにするために、大日本帝国憲法下の帝国議会開院式と日本国憲法下の国会の開会式における天皇の行幸及び「御言葉」の方法の変遷を、宮内庁書陵部所蔵の『幸啓録』を用いて分析し、研究会で報告を行った。2.宮内庁における資料公開のあり方について、『昭和天皇実録』と関連づけて論文を執筆した。3.戦後の天皇制のあり方について論文を作成し、戦前戦後の連続・断絶について論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宮内庁における資料調査は、1936年の北海道行幸関連の文書の公開を申請しているが、公開が平成28年度にずれ込んでいる。 調査予定であった北海道立文書館は時間の都合で訪問できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には以下の研究を行う。 1.宮内庁書陵部宮内公文書館所蔵『幸啓録』の北海道行幸の幸啓録の閲覧、複写を行う。 2.地方自治体資料の調査。北海道行幸関係の資料調査を北海道立文書館で行う。 3.研究成果を発表するため、論文の執筆に取り組む。
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Causes of Carryover |
宮内庁書陵部宮内公文書館所蔵『幸啓録』北海道行幸及び北海道立文書館での調査が行えなかったため、残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
宮内庁書陵部宮内公文書館所蔵『幸啓録』北海道行幸及び北海道立文書館での調査を行う。また成果報告などを行う。
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Research Products
(4 results)