2015 Fiscal Year Research-status Report
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26770220
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
トレンソン スティーブン 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (10595432)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中世日本の密教 / 中世神道 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)本研究は、中世日本における密教と神道の交渉史を龍神信仰(舎利・宝珠・龍神信仰)の観点から見直すというものであるが、この研究の基盤であり、また、この研究を実質的に進める上で必要不可欠である真言密教系の龍神信仰についての研究をまとめて出版した(『祈雨・宝珠・龍―中世真言密教の深層』京都大学学術出版会、2016年)。
(2)「駄都法」、つまり舎利・宝珠法の諸相を解明する『Dha-tu法口伝集』(金沢文庫保管称名寺聖教 295.15.1-3)という写本について内容分析を行い、その分析のために必要である文献や資料を蒐集した。また、本写本の宗教的特徴の歴史的位置づけを上記(1)研究成果の視点から考察した。
(3)密教の舎利・宝珠信仰の観点から室生山・三輪山・伊勢神宮の神道的特徴を説く文献や資料を集め、上記(1)の研究成果を踏まえて、それらの文献や資料に見える神祇信仰の歴史的位置づけを再考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は研究計画通りに進んでいるが、密教の龍神信仰についての図書を出版するにはかなりの労力がかかったため、研究の進捗はやや遅れているのである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の(A)「室生山を中心に形成された神道説の研究」、(B)「三輪山を中心に形成された神道説の研究」、及び(C)「伊勢神宮を中心に形成された神道説の研究」をまとめたいが、(D)「中世以後の密教神道説の展開」の研究を省略し、別の事業として進めることにしたい。
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Causes of Carryover |
図書の執筆にかなりの労力がかかり、出張のための旅費をすべて使用できなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度、出張のための旅費に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)