2015 Fiscal Year Research-status Report
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26770231
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
尾脇 秀和 佛教大学, 総合研究所, 特別研究員 (60719912)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本近世史 / 地下官人 / 少外記 / 京都 / 朝廷 / 近世身分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近世において、代々少外記を世襲した地下官人山口家(本姓中原氏)の日記を主な素材として、近世少外記山口家の実態を初めて本格的に研究するものである。 平成27年度は初年度に引続き、少外記山口家の日記解読・分析を進め、主に元文元年~寛延4年の日記(29冊)を対象とした。前年度判明した通り、この時期は山口友俊の活動円熟期から晩年にあたり、日記の内容が特に豊富・詳細になっている。とりわけ他の公家・公家家来・地下官人らの犯罪や出奔などについて、表面上の記録から知り得ない事情や、当時の京都における様々な風聞、それに関する友俊の所見、更には日常のごく瑣末な出来事や、自身の老いに対する感傷、回想など、随筆的な側面も多くみられた。朝廷関係のみならず、近世京都の実態を知りうる史料として、多様な活用が期待されることが明らかになった。但し、虫損著しい巻や、部分的に相当難読な箇所も見受けるほか、一部には乱丁も確認され(補修時のものか)、活用上の難点も明らかになった。 同家の日記には、時代の隔たる文久3年の少外記山口昌言の日記(1冊)も含まれており、この日記も分析対象として取り組んだ。 この他、国立公文書館・宮内庁書陵部へ出張、国文学研究資料館、早稲田大学図書館、国立国会図書館が公開するデジタル化資料の閲覧などにより、関係する地下官人関係史料の調査・収集・分析に努めた。また昨年度につづき、古代から近世までの関連図書類も収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、元文元年~寛延4年の期間の少外記山口家の日記解読・分析を進めた。また史資料の調査・収集も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き少外記山口家日記の解読・分析作業を中心に、研究計画に沿って研究を進め、関連史資料の調査、関連書籍類の収集に努める。
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Research Products
(1 results)