2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Civil Service Reform in late 19th Century Britain and Its International Knowledge Transmission
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26770255
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
水田 大紀 佛教大学, 歴史学部, 准教授 (40632328)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イギリス / 官僚制度改革 / 貴族院改革 / マルタ / 1968年 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、近代イギリス官僚制度改革の国際的影響について検討してきた本研究計画の最終年度に当たるため、研究の推進と学究成果の発信を中心に行った。まず課題のひとつ目であった「近代イギリスにおける官僚制度改革に対する国外からの関心・影響」に関しては、以前より研究対象としてきたマルタの事例について史料の翻訳を解題の作成とともに行い、マルタの行政参事会のイギリス行政機構に対する関心と影響について明らかにした。 次に、もうひとつの課題「改革を助長した社会思想についての比較史的分析」に関しては、先年度の現地調査で収集した、逓信省官吏の手による同人誌 Saint Martin's-le-Grand を分析し、19世紀後半に官僚制度改革の受動者となった現役公務員の職業意識について、官僚日常生活史の観点から考察した。さらに2016年度の夏季調査では、官僚制度改革の事例との比較対象として、20世紀後半の貴族院改革に関する調査を貴族院図書館(House of Lords Library)で行った。同調査では、ウィルソン労働党政府による1968年の議会法案の両議院への上程に対し、改革の受動者たる貴族院議員がどのような反応と認識をみせたのかにつき、法案の作成、審議の過程で作成された覚書や意見書、当時の新聞記事といった史料を収集した。この研究成果については、2016年10月に行われた第25回鷹陵史学会大会シンポジウムで発表を行った。 これらの成果発進に加え、官僚制度改革と同時代に行われたイギリスの大学教育の変貌についても、教員の視点から論説にまとめ発表した。この研究成果も「比較史的分析」の一部として位置づけることができる。またその他の研究活動としては、先年度に引き続き、国内にある関連新聞史料(マイクロフィルム: Observer 紙)の収集も行った。
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Research Products
(4 results)