2014 Fiscal Year Research-status Report
修道院と教区共同体の相互影響関係と社会形成に関する比較研究
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26770256
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大貫 俊夫 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30708095)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中世史 / 修道院 / 修道制 / 教区教会 / 教会史 / 社会史 / ドイツ:フランス:ベルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、キリスト教修道制が中世世俗社会の形成・発展にとって本質的な役割を担っていたという認識に基づき、中世盛期から後期のシトー会修道院と教区=村落共同体お間で行われたコミュニケーションの実態を分析し、両者の相互影響関係を明らかにするというものである。 研究開始年度の平成26年度の研究実績は以下の通りである。 1、研究計画に記したゲルマン語圏、とりわけライン=モーゼル地方とフランケン地方に焦点を絞って文献調査を行い、夏期には渡独して史料を収集した。 2、分析の結果、12~13世紀にいまだ教区の成立・整備が立ち遅れていたゲルマン語圏において、シトー会修道院がそれに大きく寄与していたことを明らかにした。 3、王権との関係については、ロタリンギア地域に関して修道会は自律的に地域の平和維持に尽力しえおり、王権による保護は最後の手段として、積極的に活用する類のものではなかったことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画に沿って研究を遂行しており、成果は国内外の学会で発表できた。しかし、年度内に論文の形で公表できなかったので、この点は残された課題として次年度に取り組むことにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲルマン語圏での調査・分析を進めつつ、研究計画通りロマンス語圏のシトー会修道院と教区共同体の関係を分析し、ゲルマン語圏とロマンス語圏で見られた様々な事象について比較していきたい。
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Research Products
(5 results)