2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Bronze casting technology in Yayoi Period from Kofun Period
Project/Area Number |
26770274
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
北井 利幸 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 主任学芸員 (70470284)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 青銅器鎔銅技術 / 鎔銅技術の変化 / 弥生時代 / 古墳時代 / 据付炉 / 高坏状土製品 / 近畿地域 / 鎔銅実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
弥生時代から古墳時代にかけての鎔銅技術はこれまであまり注目されることがなく、技術の変化、広がりというものが研究対象とされることは少なかった。しかし、青銅器生産を示す資料の中に取瓶、または坩堝とされる高坏状土製品があり、この資料を検討することで鎔銅方法を明らかにできると考えられた。高坏状土製品に残された使用痕跡から鎔銅方法の検討を行った結果、弥生時代の中期末から後期前半に高坏状土製品が取瓶から坩堝に変化することを明らかにし、鎔銅実験を通して検証を行った。 平成26年度に基礎資料の検討を行い、平成27・28年度に高坏状土製品を坩堝として使用した鎔銅実験を行った。あわせて本実験を通して炉の構造を検討した。平成27年度に薪を使用した鎔銅実験に成功したため、平成28年度は機械送風ではなく、革製の鞴で実験を行った。薪と人力送風による鎔銅実験では完全に鎔解することができなかったが、1200度まで温度をあげることができ、炉内で一度銅を鎔解することができた。炉内温度を保つ方法が課題として残った。 溶解炉は高坏状土製品を使用することで地面に被熱痕跡を残さない構造を想定できた。実験では耐火レンガを使用したが、高坏状土製品の周囲を取り囲むように積み上げ、高坏状土製品の口縁部から上部に40から50cmほどの薪を入れる空間をとり、薪を使って蓋をすることで炉内温度を1200度まで上昇可能で、かつ高坏状土製品や高坏状土製品設置面に被熱痕跡が残らないことを確認した。
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