2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル状況下のムスリム移民とネットワーク:アフマディーヤの事例研究
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26770291
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
嶺崎 寛子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50632775)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移民 / マイノリティ / イスラーム / ジェンダー / アイデンティティ / 国際移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は、研究論文(査読付)1.5本、発表2回(学会発表1回、科研研究会内発表1回)である。 うち発表「ディアスポラからみた国民国家とグローバル化―アフマディーヤの事例から」基盤研究A「イスラーム・ジェンダー学構築のための基礎的総合的研究」内公募研究会「開発とトランスナショナルな社会運動」第4回研究会では、アフマディーヤのグローバルな結婚について、事例を紹介しつつ論じた。
フィールド調査では、世界規模のアフマディーヤ・ネットワークの実態調査および、教団内部で世界規模に行われている配偶者紹介・あっせんのしくみや、移民としての移住フローや移住傾向、パキスタンにおける迫害状況、先進国におけるビザ取得状況等を引き続き調査した。結婚披露宴への参加を通じた参与観察、当事者への聞き取り、在ドイツ信徒とのネットワークの構築につとめた。フィールド調査と平行して、教団の衛星放送,HP,刊行物などの関連資料もあわせて収集し、資料の分析を進めた。映像資料、写真等の視聴覚資料等も記録と収集を進めている。予算や財務、ワクフェノーなど教団独自の人材育成法についても、順調に研究と分析をすすめている。当初の研究実施計画通り、日本、パキスタン、インドで調査を行い、調査を積み上げることができている。今後は西アフリカやカナダなど、研究実施計画に入っているがまだ調査に行けていない地域の調査を中心に行う。またトルコのギュレン運動やアルジェリアのモダンなスーフィー教団の研究と比較検討することで、近代の共通性とそれぞれの独自性とを検討・分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果も順調に論文・エッセイ等で公開しており、社会に還元ができている。また、フィールド調査も日本、パキスタン、インドで行っており、順調である。ラポールの形成もできており、フィールドでの信頼関係もきちんと構築できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究実施計画に沿って研究を進める。海外調査を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた海外調査の日程を、ラマダンなどのイスラーム暦の進行にかかる先方の希望と大学の学事暦の関係から再調整する必要が生じ、調査自体を来年度に繰り越したために、次年度使用額が生じた。
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Remarks |
WACC (World Council of Anthropological Associations) 内、多言語ページEn sus propios términos /(自分の言葉で)コーナー
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