2016 Fiscal Year Research-status Report
中国の文化政策と華人ネットワークの援用・創出に関する実証的研究
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26770293
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
奈倉 京子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (70555119)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中国 / 文化外交 / 華僑華人 / 媒介的作用 / 僑務政策 / 孔子学院 / 華語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画通り、平成28年度はまず、マレーシアにて2回目の調査を実施し、以下の4方面について調査を行った。(1)孔子学院設立経緯、経営側の戦略、華人社会との関わり、受講者の背景等ついて調査し、全体的な状況の把握した。(2)華文学校のカリキュラム、学生の背景等について調査した(3)華人社団が主導で行っている非公式的中国教育の実態を調査した。(4)(1)(2)(3)の受講生に対し、家庭・教育背景(ライフヒストリー)留学目的、卒業後の進路、ネットワークの構築手段等について聞き取りを行った。調査中、中国留学経験者で組織された「留華留学生会」の存在を知り、組織の成り立ち、活動内容等について会長に聞き取りを行うことができた。 次に、研究成果を発表した。具体的には、日本華僑華人学会、愛知大学ICCS研究会及び国際学会(中国語)にて口頭発表をし、研究者と意見交換を行った。これらの口頭発表の原稿を基に、日本語論文と中国語論文を執筆した。論文は平成29年度中に刊行される見通しである。さらに、本研究の主題に沿った論文集も編集しており、日本、中国、マレーシアの同分野の研究者とも頻繁に学術交流を重ねることができた。 以上の調査研究を通して、中国の「公共外交」(パブリックディプロマシー)と僑務政策、華人の媒介的作用との関わりといった新たな側面が見えてきたため、「僑務公共外交」の中国語の文献資料も積極的に収集したことも成果として挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究成果を発表することに重点を置き、平成28年度に着手した論文集の編集・出版を進め、本研究の成果としたい。また、本研究で得られた知見を一般社会に還元していくために、公開講座等で紹介していきたい。 当初計画していた香港調査の内容はマレーシアで可能となったため、その分の調査費用は、論文集の翻訳校閲費及び学会発表のための旅費に当てることにする。
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Research Products
(5 results)