2015 Fiscal Year Research-status Report
オランド政権下におけるライシテ再検討作業に関する研究
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26780009
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中島 宏 山形大学, 人文学部, 准教授 (90507617)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ライシテ / 信教の自由 / イスラム・スカーフ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に基づいて、フランスにおいて発生したBaby Loup事件についての分析を継続し、併せて信教の自由に関連する欧州人権裁判所判例の検討作業を行った。 Baby Loup事件については、前年度に事件の概要を検討し、学会報告や予備的検討として論文の公表を行った。今年度は、継続的に学説の評価の検討を行い、学会編集の叢書にその成果を論文として発表した。 Baby Loup事件とは、私立保育所で発生したイスラム・スカーフ着用を理由とした職員解雇事件である。その是非をめぐって、様々な議論および判決が出された。本年度は、裁判所の判断に対する多様な学説の応答と、労働空間への非宗教性原則適用拡大への懸念を検討、整理した。 また、欧州人権裁判所判例の分析も進めた。一つは、トルコの大学におけるスカーフ着用が問題となった2005年シャヒン判決、今一つはフランスのブルカ禁止法は条約に反しないとされた2014年判決である。これらの判例分析の成果を、次年度に公表したいと考えている。 本年度の研究実績の概要は以上の通りである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、前年度の研究成果を継続的に検討し、特に学説の検討を追加的に検討した。その成果は、学会編集の叢書に論文として公表した。 また、欧州人権裁判所の判例分析を行った。2005年シャヒン判決と2014年ブルカ禁止法判決であるが、前者については判例集の解説として原稿を提出した段階である。後者については公表に至らなかったが、次年度に研究を継続したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、オランド政権下で設置されたライシテ研究所(あるいはライシテ監視所)の報告書の分析に努めたい。特に、大学におけるスカーフ着用が政治問題化しており、この点についての研究所の見解・評価あるいは政権の対応を中心に検討・分析したい。 また、欧州人権裁判所ブルカ禁止法条約適合判決に関する分析を継続し、その成果を判例評釈として公表したいと考えている。
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Research Products
(1 results)