2014 Fiscal Year Research-status Report
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26780014
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
黒澤 修一郎 島根大学, 法文学部, 講師 (30615290)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 違憲審査制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、違憲審査の判断手法のひとつである利益衡量論について考究するものである。なかでも、利益衡量論がそれに対する方法論的批判とどのようにして対決してきたかについて、アメリカ憲法学を素材に歴史学的な視点から考察を加えることを主眼に置く。このような研究を通じて、利益衡量論の功罪を理論的に整理し、違憲審査の手法を洗練させるための新たな視点を提示したいと考えている。 平成26年度は、研究の第1段階として、基礎文献の収集と読み込みに重きを置いた。なお、研究を進めてゆくなかで、本研究の題目である「利益衡量批判の系譜」について漠然と考察を進めるよりも、研究の焦点をより具体的に絞り込む必要性にあらためて気づかされた。そのため平成26年度は、とくに次の2点に関して研究を進めるよう方向性を定め直した。第1に、19世紀後半から20世紀初頭のアメリカ法学において支配的であった「古典的法思想」について理解を深め、その後20世紀中葉までに利益衡量論が「古典的法思想」にどのようにして取って代わっていったかという展開過程を把握するよう努めた。また第2に、1970年代以降の中絶をめぐる憲法裁判論争にフォーカスを当てて、この領域における利益衡量論の展開と、それに対する批判ないしはオルタナティヴの可能性について検討を加えた。 以上のような作業を通じて、平成26年度は、本研究に関するおおよその見通しを獲得し、今後の展望についてのアウトラインを描くことができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は基礎文献の収集と読み込みに重きを置いた。とりわけ本研究はその方法論的基礎をアメリカ憲法史学に置いているため、この分野の文献の収集と精読を行った。本研究の初年度として、今後の研究の大きな方向性を定め、地歩を固めることができたという点では、おおむね順調に進展していると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法としては、平成26年度に獲得した知見をまとめた上で、研究会報告など行うことを通じて、他の研究者との意見交換を積極的に行いたいと考えている。またアメリカ合衆国においてヒアリング調査や資料収集を行うことを通じて、研究の内容を深めたいとも考えている。
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Causes of Carryover |
平成26年度は本研究の初年度として、研究を進めるための基盤整備に重きを置いた(図書の購入など)。他方で、当初の研究計画で予定していた海外出張については、都合により実施できなかった。それゆえ研究費に残額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、当初は平成26年度に予定していた海外出張を平成27年度に実施することに充てたいと計画している。
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