2014 Fiscal Year Research-status Report
誤認知と不信再生―日中相互不信の再生産のメカニズムに関する理論的・実証的研究
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26780101
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
張 雲 新潟大学, 企画戦略本部国際戦略企画室国際センター, 准教授 (70447613)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日中関係 / 国際関係理論 / 認知と誤認知 / 災害外交 / 相互不信再生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
日中関係は相互信頼が著しく欠如することをめぐって、数多くの研究がなされた。しかし、主には日中関係の特殊性を焦点に、それぞれの立場から自国の論理を強調する研究が多い。現実としては日中双方とも信頼醸成に意欲と努力を見せているものの、逆に相互不信が深まっている。日中関係の特殊性に立脚する既存研究だけでは極めて不十分で、より理論的、普遍的な視点からの分析が必要である。本研究は国際関係理論の「認知」(perception)の理論を用いて、「誤認知」(misperception)と「相互不信」分析枠組みを構築し、日中関係の不本意な誤認知の再生産メカニズムを分析解明する。また、本研究は「誤認知」の枠組みを用いて、3.11東日本大震災の際の日中の「災害外交」を実証研究のケースとして日中双方はいかに最初の「善意的なイニシアチブ」から最終的には「不信の再生産」に発展したかのプロセスを解明する。
初年度である26年度には、まず、「誤認知」と「相互不信」に関する文献をレビューし、資料収集とともに仮説分析理論枠組みを構築することを試みした。日本、中国での聞き取り調査を行った。また、日中の相互認知においてアメリカの要素の重要性が資料収集・分析に通じ浮き彫りになり、ワシントンDCへ出張し、CSIS、Brookingsなどの専門家・元政府高官などの聞き取り調査を行った。認知理論の創立者であるRobert Jervisコロンビア大学教授、311災害日米外交について書籍を出版したRichard Samuels教授、日米中関係に詳しいJoseph Nyeハーバード大学教授にもインタビューをした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的な資料収集、聞き取り調査を行い、分析理論枠組みを構築した。 中間的な研究成果を国内の学会で学術発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は日中の相互認知についての研究会を開催し、国内外の専門家を招き、研究成果の充実を図る。最終研究成果を学術論文化として国際関係の学術専門誌に投稿し、論文の正式発表を目指す。
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Research Products
(2 results)