2014 Fiscal Year Research-status Report
平和構築における法の多元性に関する研究-治安部門改革(支援)に着目して
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26780109
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
古澤 嘉朗 広島市立大学, 国際学部, 講師 (20612922)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 平和構築 / 治安部門改革 / ケニア / タンザニア / ルワンダ / シエラレオネ |
Outline of Annual Research Achievements |
「平和構築」が『平和への課題』(1992年)によって国際社会の政策議論に紹介されてから20年程経過したが、平和構築研究の今後の重要課題として「国家建設」を掲げ、「平和構築」と「国家建設」を同一視する研究者もいる。他方、この国家建設に重きを置いた平和構築によって、介入する国際社会側の意図と現地社会側が目の当たりにする日常の間に隔たりが存在する「実体のない平和」が築かれているのではないかとの問題提起もなされている。本研究では、ケニアやシエラレオネ、タンザニアなどの事例を参照しながら、治安部門改革(支援)という平和構築の一側面に着目し、平和構築と国家建設の関係について考察を深めようとするものである。本年度は主に基礎文献の整理、そして事例として参照する国々の初動調査を行った。
ただ、2013年12月頃から西アフリカで流行が始まってしまったエボラ出血熱の影響により、シエラレオネ(西アフリカ)での調査は延期せざるをえなくなった。また、エボラ出血熱の終息に時間がかかるということ、治安部門改革に関連する支援へのエボラ出血熱の影響も十分に考えられることから、本研究においてシエラレオネを扱うかは一時保留にした。その代わりに、ケニアとタンザニアの隣国であり、英語圏、そして紛争後国でもあるルワンダを新たに分析対象に加えることにした。3月にケニア、タンザニア、ルワンダへ行き、情報収集を行い、次年度の実地調査の環境を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は(1)文献資料調査、そして(2)各国での実地調査により構成される。(1)に関しては順調に進んでおり、(2)に関しても、当初予定していたシエラレオネには渡航できない状況ながらも、ルワンダを新たに考察対象として加えることにより柔軟に対処している。研究に支障は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も(1)文献資料調査、そして(2)各国での実地調査を継続し、引き続き情報収集を続けることになる。
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Causes of Carryover |
シエラレオネ(西アフリカ)ではなく、ケニアとタンザニアの隣国であるルワンダ(東アフリカ)へ調査に行ったことにより、航空券の値段を結果的に押えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の海外調査経費へ充てることにする。
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