2015 Fiscal Year Research-status Report
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26780111
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
川名 晋史 近畿大学, 法学部, 講師 (10611072)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 米軍基地 / 沖縄 / 海兵隊 / 普天間基地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は米国の海外基地が一旦設置されたあとの、動態(整理統合・再編)の過程を分析するものである。具体的には、1960年代後半から70年代前半にかけて行われた在日米軍基地の再編過程を考察している。平成27年度は、1969年に焦点を絞り、日本本土の基地再編の動きと、それと同時並行的に行われていた沖縄の施政権返還に向けた日米協議の問題について、一次資料を用いて分析を行った。浮かび上がってきたのは、本土と沖縄の基地の相互作用の問題であり、今日の在沖縄海兵隊の在りようを形成した、米国側の官僚政治的展開であった。その結果をまとめたものを共著書として2016年5月に出版予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、在日米軍基地の再編過程を追跡できている。しかしながら、米国側の史料を中心に分析を行っているため、日本側の政策決定過程の分析については作業に遅れが生じている。その一方で、当初の計画では想定できていなかった、沖縄の基地問題との関連性を新たに見出すことができ、そのことが本研究課題全体に良い影響をもたらしている。共著書として成果を公表できたのも良い影響の一つの表れである。その意味では、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究の焦点は、1969年から70年代前半の時期に移っていく。収集した史料を整理し、当該年代における在日米軍基地再編をめぐる日米協議、米国側の政策決定過程を明らかにしていく。その成果を学会報告か、あるいは論文にまとめて発表したい。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも、図書にかかる費用が少なかった。その理由としては、1次史料の分析が中心となったためであり、2次資料に依拠する必要性が低下したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、研究をまとめるための文献レビューのための図書の購入に充てたい。また、必要に応じて国内旅費に使用する可能性もある。
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