2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26780115
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河崎 亮 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (20579619)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 動学的マッチング / 非分割財市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、動学的マッチング分野や関連するモデルにおいて動学的概念を取り入れた研究に着手した.まず,最初に関連するモデルとして非分割財市場における物々交換モデルの分析を行った.
非分割財市場において,Roth and Postlewaite (1977)により提唱された安定性の概念,動学的なモデルの中での安定な帰結として特徴付けをした.緒結果を学術論文として纏め,関連分野の学術誌であるJournal of Mathematical Economicsに受理され,5月号に掲載予定である.得られた結果をリスボンで行われたUECE Lisbon Meetings on Game Theory にて口頭発表をし,出席者とディスカッションを行い情報交換も行った.同学会で動学的要素を取り組んだゲーム理論やマッチング理論に関連する研究報告をもとに情報収集をし,報告者とディスカッションを行い,その分野に関する知見を得ることができた.
今回取り上げた非分割財市場の配分問題は,経済主体と財の間のマッチングを決める問題と記述することができるため,限定されたマッチング問題の例として見なすことができる.経済主体が何度も繰り返しに取引が行われる状況をGreenberg (1990)により提唱されたソーシャル・シチュエーション理論を用いて分析し,Roth-Postlewaite安定性がGreenbergにより提唱された安定な行動基準としても捕らえられることも示した.Greenbergのモデルは,この非分割財市場モデルだけでなく貿易理論等にも応用され,マッチング問題も含め幅広く応用可能であり,今後の研究においても活躍する場面が十分予想される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学内業務が前年と比べ増えたことにより,当初想定していた程研究活動に専念できなかったため,当初予定していた情報収集の段階に時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降も引き続き、論文や文献購読により情報収集をし,分析可能ば簡単なモデルの構築を試みる予定であり,ベンチマークとして結果を導きたいと考えている.また,動学的なマッチングモデルを用いてunraveling現象,即ち「青田買い現象」との関連性について明らかにしたいと考えている.前年度の情報収集等により得た成果をサーベイ論文等にまとめる予定である.
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Research Products
(4 results)