2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26780119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 修平 京都大学, 経済研究所, 助教 (60645406)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マクロ経済学 / 景気循環 / 動学確率一般均衡モデル / 不完備市場 / 不確実性ショック / 信用ショック |
Outline of Annual Research Achievements |
不確実性ショックの分析: 平成26年度は以下の分析を行った。第一に、アメリカのPanel Study of Income Dynamicsのデータを用いて、家計が直面する所得の不確実性を推定した。特に、これまでの推定方法を改善し、またデータの期間を延長することで、より信頼のおける推定結果を得ることに成功した。第二に、その推定結果から、不確実性ショックの特性を明らかにした。第三に、その不確実性ショックを、個人の異質性が存在する動学確率一般均衡モデルに与えることで、所得の不確実性の変動が景気循環に及ぼす影響を定量的に分析した。
分析の結果、不確実性ショックを導入したモデルは、既存のモデルでは上手く説明できない、現実のデータと整合的な雇用、労働生産性、そしてLabor Wedgeの変動を生み出すことが分かった。結果を論文にまとめ、Econometric Society of Australasian Meetingにおいて、'Time-Varying Wage Risk, Incomplete Markets, and Business Cycles'という題目で研究報告を行った。得られたコメントを基に論文を改訂し、KIER Working Paperとして公表した。
信用ショックの分析: 平成26年度は、異質な個人のポートフォリオ選択を含む動学確率一般均衡モデルを構築し、定常状態の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不確実性ショックの分析: 計画より早く研究成果をWorking Paperとして公表した。
信用ショックの分析: ほぼ申請計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
不確実性ショックの分析: 来年度以降も国内外の学会で研究報告をする。そして、論文の改訂を行い、国際査読雑誌に投稿、掲載を目指す。
信用ショックの分析: 今年度構築したモデルを用いて、信用ショックのマクロ経済変動に対する影響を分析する。そして、得られた結果を論文にまとめる。
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Research Products
(1 results)