2015 Fiscal Year Research-status Report
アナリティカル・アプローチによる欲望思想の新角度からの研究―経済学基礎仮定の解明
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26780132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野原 慎司 東京大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (30725685)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済学史 / 経済思想 / 社会思想 / アダム・スミス / 欲望 / 貧困 / 貨幣 / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、論文の作成に加えて、国際学会での三つの別々のテーマでの報告を行った。 第1に、アメリカはミシガン州立大学での、経済学史研究に関する国際学会であるHistory of Economics Societyにおいて、"Commerce, economic development, and equilibrium in Montesquieu, Hume, and Smith"と題して、古典派経済理論の形成と欲望の関係に取り組み、日本人として唯一の報告者であったが、会場からは活発な質疑応答が得られたほか、少なからぬ人が興味を寄せ、ご評価頂いた。 第2に、4年に一度した行われない国際18世紀学会の、オランダ・ロッテルダムにての大会において、"Adam Smith on the value of silver"と題して、人間の欲望の対象である銀について、なぜ人間は欲望の対象として価値をあたえるのか、銀の価値をスミスはどのように捉えたのか、という観点から報告を行い、活発な討議が行われた。 第3に、小樽商科大学での、日本とヨーロッパの経済学史学会合同の国際学会にて、"The effects of commerce and war in Adam Smith"と題して、経済学上の欲望についての考えが、戦争を対極としたものとして形成されたものであることを明らかにした。 また、「アダム・スミスにおける貧困対策問題」と題して、人間の基礎的欲望の欠如の問題にスミスがどう向き合ったかを論文にした。さらに、イギリス・スコットランドにおいて資料調査を実施し、スミス周辺の人物の、未刊の原稿の調査と精力的な撮影を実施した(ジョン・ミラー、アンダーソンら)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度においては、三度の国際学会での報告を実施し、研究に相当の進展があった。 なおかつ、論文の作成を行い、刊行物における研究成果も見られた。 さらに、資料調査を実施し、未刊の草稿がスコットランドの大学にどの程度眠っており、何が利用可能なのかという目安をつけ、資料の精力的な撮影を行い、次の研究成果を得るための準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、6月にアメリカ・ダラムはデューク大学において、History of Economics SocietyとInternational Adam Smith Society合同の国際学会において報告を行う。 なおかつ、本年度末には、約2ヶ月間にわたって、イギリスの大学において客員研究員として在外研究を行い、研究の総仕上げを行うものとする。論文作成のほか、英文での単著出版の準備を完了させることも渡航の目的である。
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Causes of Carryover |
平成27度、当初予定していたイギリスの大学での在外研究の日程調整が難航したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度における、イギリスの大学での在外研究の実施
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Research Products
(5 results)